控え室

5中絶という選択
先生に聞いてみよう!
中絶手術を選んだ自分を否定する前に中絶といいうものをまっすぐに受け止める、これこそが1番大切ではないでしょうか..。


●産むことだけが美徳ではない
わが国では、生命尊重の名のもとに、産むことを美徳と考える風潮が根強い。しかし、どんな状況におかれようと、絶対にあって欲しくないのは、望まない出産をすることだ。自分の意志を曲げて、「産めばなんとかなるさ」などという無責任な姿勢で子を産むことだけは避けて欲しい。でも、こうと決めた以上、後悔の日々を送ることがあってはいけない。中絶は確かに望ましいことではないけれど、現時点ではこれが1番いい選択だったと思えるような中絶ができるように、そして、その後再び中絶を繰り返すことがないようにと願っている。

●危険?安全?中絶手術!
今までの性教育といえば、中絶の手術をすると将来赤ちゃんができなくなる、子宮を傷つけたり穴を開けちゃうことがあるなど、手術の危険性をこれみよがしに教え込むことで、「だから中絶するな」「だから妊娠するな」「だからセックスするな」と強調するものが多かった。誰だって、中絶しようと思って妊娠する人はいないし、中絶をするためにセックスするわけではないのだから、このような中絶手術の指導は無意味だと思う。
危険でないとはいわない。手術は、たとえ抜歯や足の疣を取り除くような小さな手術だって、命取りになることはある。だから中絶手術も例外ではない。手術の操作をする場所が子宮の中であるがために、盲目的な手術をせざるを得ないわけで、器械的に子宮の入り口を傷つけたり、子宮の内容物を完全には取り除くことができず感染を引き起こしたり、子宮に穴を開けてしまったりということがまれにある。
中絶すると不妊症になるといわれるのは、そのためだ。中には、局所麻酔をかけた時のショックや、手術後の抗生物質の使用でアレルギー反応を起こしたりという例もあり、軽い気持ちで手術をというわけにはいかないのは事実だ。が、中絶は母体保護法によって認定された指定医でなければ行えず、その医師は高い技術をもっている。指定医であることを確認し、まかせるならば、大船に乗った気持ちで手術を受けなさい。
妊娠する性を持つ女性にとっては、産むための医療も、産まないための医療も、ともに必要だ。そして誰もが必要な時に、必要な医療を安全に受けることができるということは、とても大切なことだ。日本では、現在ほぼ安全な中絶手術が受けられるということを、知っておいていいと思う。


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