「女性ホルモンには、血管を柔らかく保ち、血流を維持する働きがあります。更年期になってホルモンの変動が生じると、こうした働きが弱まり、微小血管に循環障害が生じると考えられます」(辻田医師)

 ただ、男性だから微小血管狭心症にならないわけではない。

 喫煙者の場合は、性別にかかわらず、30代から微小血管狭心症が見られるという。喫煙は血管の内皮を傷つけて動脈硬化を進めるため、微小血管にも強い悪影響を及ぼすのだ。

 では、微小血管狭心症ではどんな症状が出るのだろうか。

 特徴は、動いているときだけでなく、安静時にも生じる胸痛や胸の苦しさだ。10分以上持続するケースもあるという。人によって、胸部圧迫感や呼吸困難、吐き気、胃痛、歯痛、肩痛、背中の違和感など、“心臓病らしくない”症状が出ることもある。

 そのため、更年期症状や不安神経症などにも間違われやすい。辻田医師が経験したケースでは、「心臓の病気ではない」と診断されたあとも症状が治まらず、度重なる受診から、「ノイローゼ」と診断された患者もいたという。

 前述で、「画像検査ができなかった」と紹介した微小血管狭心症だが、近年、診断技術の発達で、”見える化”できるようになった。

 「検査は、胸痛や心筋虚血などの症状はあるけれど、通常の心臓カテーテル検査では狭窄が見つからない人で、かつ微小血管狭心症が疑われる人に対して行います」と辻田医師。

 この検査は、狭心症を見つけるための心臓カテーテル検査と一緒に行われ、専用のガイドワイヤーを挿入することで、微小血管の血流の様子がわかるようになっている。

 「もちろん、カテーテル検査は体への負担が小さくありません。そのため、微小血管狭心症の可能性が高くても検査は行わず、心電図や冠動脈CTなどで問題がないことを確認できれば、あとは薬で症状が改善するかをみる“診断的治療”が行われることもあります」(辻田医師)

■微小血管狭心症が怖い理由

 そもそも、微小血管狭心症は命に関わらないのだろうか。

 辻田教授は「正確に言えば、微小血管狭心症は短期的・直接的に命を奪うものではない」と話す。とはいえ、安心できるかというと、そうではない。

引用元:
心筋梗塞でも不整脈でもない “心臓に異常なし”の患者が抱えていた病…更年期女性は要注意「微小血管狭心症」とは(Yahoo!ニュース)