産後の女性たちが、頭が「ぼんやりする」という経験を語るとき、その話は互いに驚くほど似通っている。何のために部屋に入ったのかを忘れたり、話の途中で言葉が出なくなったりといった具合だ。
そうした症状は長い間、睡眠不足やストレスのせいだと片付けられてきたが、ほんとうの理由はそれだけではないかもしれない。
最近の研究が示唆しているのは、脳は妊娠によって単に負担にさらされているだけではなく、作り変えられているということだ。
しかも、オランダ、アムステルダム大学医療センターが発表した新たな研究によると、脳の変化が起こるのは1度目の妊娠に限った話ではないという。2度目の妊娠では、脳は戦略をより洗練させ、新たな神経システムへと移行しているようだ。
研究者らは現在、妊娠中の脳にどのような変化が起こり、それらがどんな意味をもつのかを解明しつつある。(参考記事:「胃や頭の不調も実は子宮内膜症? 誤解の多い症状と適切な対処とは」)
他者への感度を変える変化
特に詳しく記録されている変化の一つは、脳が他者をどのように理解し、どう反応するかに関わるものだ。
2016年12月に発表された論文で、研究者らは、女性たちの脳を1度目の妊娠の前後にスキャンし、それを妊娠経験のない女性たちと比較した。その結果、妊娠した参加者の女性は皆、脳の表層にある「灰白質(かいはくしつ)」の体積が正確かつ左右対称のパターンで減っていることがわかった。
これらはランダムに起こった変化ではない。灰白質が減った位置は、脳の「心の理論」ネットワークに関わる領域と密接に対応していた。(参考記事:「アルツハイマー病の兆候か、診断10年前にも現れる意外な変化5選」)
引用元:
2度目の妊娠も脳を作り変えると判明、1度目とはどう違うのか(NATIONAL GEPGRAPHIC)