両親から受け継ぐ遺伝情報は、受精卵の中でいったん「別居」する方が子どもは生まれやすい――。マウスでのそんな実験結果を、理化学研究所や神戸大などのチームが発表した。不妊治療への活用につながる可能性があるといい、論文が30日、科学誌ネイチャーに掲載された。
「別居型」と「同居型」の受精卵の違い
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精子や卵子はそれぞれ父親由来、母親由来の遺伝情報を含む染色体を持つ。精子が卵子に入った後、それぞれの染色体が二つの場所に分かれるが、不妊治療で受精卵を作製する際、最初から合体して「同居」することがあり、受精卵の成長にどう影響するのかよくわかっていなかった。
チームはマウスの卵子と精子を用いて、別居型と同居型の受精卵をそれぞれ作製。雌の子宮に戻したところ、同居型は別居型と比べ、出生する割合が約4割低かった。
別居型は、受精して約12時間後に最初の細胞分裂が起こると、染色体が合体して正常に成長する一方、同居型では、成長に必要な遺伝子の調節機能が低下していたことを突き止めた。
チームの北島智也・理研生命機能科学研究センター副センター長(細胞生物学)は「人の受精卵での研究が必要だが、将来的に不妊治療技術の向上に役立てられるかもしれない」としている。
大阪大の林克彦教授(生殖遺伝学)の話 「胎児の形成に必要なメカニズムの理解を深める成果だ。同居型で生まれた子どもについて、健康などへの影響が生じるかどうかも明らかにしてほしい」
引用元:
受精卵内の両親由来の染色体は「別居」の方が出生率高い…「同居」型と比べた理研のマウス実験、不妊治療に生かせるか(讀賣新聞オンライン)