何カ月も疲労が続く「慢性疲労症候群」は大人だけでなく子どもにも起こる。小児慢性疲労症候群(CCFS)は不登校や引きこもりの原因になることも。福井大医学部付属病院(福井県永平寺町)子どものこころ診療部長の友田明美教授に話を聞いた。

小児慢性疲労症候群
小児慢性疲労症候群

 ◇怠けではない

 十分な休養を取っても回復しない強い疲労感が3カ月以上続くのがCCFSの特徴だ。筋肉や関節の痛み、集中力の低下、睡眠障害、起立性調節障害(立ちくらみやめまい)、頭痛、抑うつ、不安など多様な症状がみられる。

 「夜眠れない、朝起きられないといった状態が続き、学校や部活動に行けなくなるケースもあります。『怠けている、根性がない』と誤解され、十分な休養が取れず悪化する場合もあります」と友田教授。

 明確な原因は分かっていないが、心身が疲弊した際に起こる一種の生体防御反応の可能性などが考えられている。風邪やインフルエンザなど感染症をきっかけに発症する場合も。国内の調査では、小学4〜6年生の約5%、中学生の約11%、高校生の約15%が3カ月以上続く疲労状態だと報告されている。

 「特に睡眠障害が深刻です。スマートフォンなどデジタル機器の夜間使用などで睡眠の質が低下しやすく、記憶力や学習能力にも影響します」

 ◇保護者も生活改善を

 予防には質の良い睡眠が欠かせない。「お子さんの生活リズムを整えるだけでなく、保護者自身の生活習慣も見直す必要があります」

 それでも症状が続く場合、「1〜2週間以上改善しない場合は、かかりつけの小児科を受診し、必要に応じて専門医を紹介してもらいましょう」。

 診断では、鉄欠乏性貧血など他の病気を除外した上でCCFSの可能性を検討する。友田教授は認知行動療法を治療の基本にし、疲労感を否定せず、上手に付き合いながら少しずつ活動範囲を広げていく。睡眠障害がある場合は睡眠導入剤、起立性調節障害がある場合は血圧を整える薬などを用いることもある。

 「CCFSはどの子にも起こり得る病気です。悲観せず、学校にも理解を求めながら、専門医と一緒に回復を目指してください」と、友田教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

引用元:
不登校の原因にも 〜小児慢性疲労症候群(福井大 友田明美教授)〜(時事メディカル)