早産や多胎などで2500グラム未満で生まれた低出生体重児。その家族会が、当事者の「リアル」をみつめようと、滋賀県内の家族にアンケートをした。県の事業によって孤立感が和らいだという声がある一方、支援が十分でない面もみられたという。
家族会「リトルベビーサークル滋賀のCOAYU(こあゆ)」が2月にウェブで実施。主に2023年以降に生まれた子の57家族が答えた。小島かおり代表(43)=多賀町=が報告書にまとめた。
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多胎児の親らと交流する小島かおりさん(右)=2026年4月7日、滋賀県多賀町、小西良昭撮影
母子健康手帳を補完するために配布される県の「びわこリトルベビーハンドブック」。COAYUが作成に協力したこの冊子について聞いたところ、25年度に生まれた子の家族の89・5%が受け取ったと答えた。2年前から約26ポイント上昇し、普及が進んでいることがわかった。
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滋賀県が発行する「びわこリトルベビーハンドブック」
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「びわこリトルベビーハンドブック」に載っている先輩の経験談。〈生後1か月で初めての抱っこはとっても嬉(うれ)しかった〉〈初めての哺乳瓶、初めての沐浴(もくよく)。初めてがとても特別に感じました〉などと記されている
ハンドブックには、低出生体重児を育てた「先輩家族」のメッセージが載る。全体の61・5%が「読んだ」と答えた。
小島さんは「同じような経験をして、当時の自分にかけたかった言葉であり、今の親が『自分だけではない』と感じられる」。1412グラムで生まれた長女(6)は、新生児集中治療室(NICU)の「卒業生」だ。
小島さんの報告書によると、県の23年の統計では、県内の出生数9339人のうち878人が低出生体重児。およそ10人に1人だった。集中的に医療が要る1500グラム未満は66人だった。
ドナーミルクを「出産後知った」7割
NICUに入ると、母親は母乳を日々届けることになる。アンケートでは「母乳バンク」についても聞いた。
子が母乳を得られないとき、他の親の母乳(ドナーミルク)を無償で分ける仕組み。23〜25年度に1500グラム未満で生まれた27人中9人の家族が使ったと答えた。
ただ、仕組みはあまり知られていない。ドナーミルクについて「出産後に初めて知った」との回答が全体の約72%だった。小島さんは「一般の人はもっと知らない」とみる。
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母乳バンクを広める座談会を開いた小島かおり代表(左から2人目)=2025年11月、大津市、本人提供
報告書では、もっと支援が必要な項目も列挙した。
産後ケア事業(宿泊・通所・訪問)は利用者が増えている。母体の回復に加え、NICUに入った子と長期間離れることなどによる疲れを癒やし、退院後の育児にも大切だという。しかし、子の入院が長引いて利用できる期限を過ぎてしまう例もある。小島さんらは、出産予定日を基準にした「修正月齢」で1歳までの利用を認めるように自治体に働きかけている。
搾乳の環境整備も不十分だという。搾乳を「孤独だった」「する場所がなく困った」との答えが多かった。
COAYUは、公共施設などの授乳室を子連れでなくても使えることを示す「搾乳マーク」の普及に力を入れている。搾乳器の無料貸し出しもしており、「先輩ママたちのパワーを感じる」「一人ではないと応援されている気持ち」と好評だという。
ほかにも、病院までの交通費や、おむつ代やリネン代など医療費以外の負担の重さも課題だとした。
小島さんは21年にCOAYUを結成。交流会やSNSでの相談に加え、家族の声を行政や病院などへ届けている。小島さんは話す。「小さく産んでごめんねと、自分を責めるお母さんがいる。あなたは一人じゃないよと支えあえる社会にしたい」
引用元:
リトルベビーと家族のリアル知って 産後ケア・母乳バンク、実態調査(朝日新聞)