鹿児島県枕崎市の森産婦人科が、3月末で閉院する。1915(大正4)年の開院で、94年から3代目を継いだ森明人院長(69)は、約30年間で約1万人のお産に携わった。今後は代替わりして鹿児島市内へ移転しサポートに回る。29日には感謝の集いが開かれる予定で、森院長は「患者さんや元職員、全ての人に感謝を伝えたい」と願っている。
病院では3年前に分娩(ぶんべん)の取り扱いを停止した。多い年で480件を数えたが人口減少に伴い減り続け、新型コロナ禍が追い打ちをかけた。人の移動が制限され里帰り出産もなくなり、月20件未満に。採算が悪化し、数千万円の赤字が数年にわたって続いたからだ。
分娩をやめてから30人いた職員を5人に減らして婦人科の診療を続けたものの収益は改善しなかった。森院長は「人口減少にはあらがえなかった。かかりつけがなくなることになり、地域の皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱい」と語る。
先代の義三郎さんが亡くなり、副院長を雇用するまで30年のうち約20年は1人でほぼ無休で駆け抜けてきた。「自分を褒めてあげたい。患者さん家族の笑顔が何よりの原動力になった。丈夫な体に生んでくれた両親にも感謝」と振り返る。県内外で「私も森病院で生まれた」と声をかけられるのも喜びだったという。
29日の感謝の集いは、午前10時から午後1時まで。病院の110年の歴史を振り返る写真展や記念撮影を予定する。6月に鹿児島市内に開くクリニックでは長女のまり絵さん(40)が院長に就く。
引用元:
産婦人科医がまた一つ…1万人のお産に携わったが、「人口減にあらがえなかった」――無休で駆け抜けた20年。「自分を褒めてあげたい」 枕崎・3代目森院長(南日本新聞デジタル)