卵巣の機能が低下し、40歳未満で閉経する早発閉経。妊娠を希望しても、自分の卵子で妊娠することが難しい。こうした患者の不妊治療に有効な薬を発見したと、順天堂大などのグループが発表した。

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 早発閉経は、女性の3.5%が発症する。卵巣内に卵子のもととなる卵胞は残っているが、発育が止まってしまう。これまで確立された不妊治療法はなかった。

 研究グループの河村和弘・順天堂大教授(産婦人科学)らはこれまでに、早発閉経の患者が自分の卵子で妊娠できるよう、腹腔(ふくくう)鏡手術で卵巣の一部を体外に取り出し、休眠状態の卵胞を活性化させ、再び移植する方法を開発。実用化してきたが、体への負担が大きいことが課題だったという。

 今回の研究では、すでに別の病気で使われている薬剤約1300種類の中から、効果のあるものを探索するドラッグリポジショニングという手法を用いた。安全性がわかっているというメリットがある。

 卵胞の初期段階である原始卵胞を活性化させる効果のあるものを探したところ、マウスを使った実験で、慢性腎臓病などの内服薬「フィネレノン」で効果が認められた。作用するメカニズムも調べたところ、原始卵胞の活性化を抑える卵巣の線維化と呼ばれる現象を、フィネレノンが弱める効果があると考えられた。

 早発閉経と診断された14人の患者にフィネレノンを投与したところ、すべての患者で卵胞の発育が確認できた。8人で成熟した卵胞が育ち、採卵したところ、9個の成熟した卵子が得られた。体外受精を行い、受精卵の凍結保存に至った患者もいた。

 河村さんは「体の負担の少ない治療方法という点が非常に大きなインパクト。今後、さらなる有効性を調べる臨床試験を進めたい」と話す。

 論文は米科学誌「サイエンス」オンライン版に掲載された(https://www.science.org/doi/10.1126/science.adz4075)。(松本千聖)

引用元:
「早発閉経」の不妊治療に有効な薬 既存薬から発見、採卵の成功例も(Yahoo!ニュース)