生理(月経)で排出される「月経血」を活用するヘルスケアサービスに、筑波大発ベンチャーのiLAC(アイラック)とユニ・チャームが共同で取り組んでいる。第一歩として、自宅で採取した月経血を郵送するだけで、子宮頸(けい)がんの主な原因とされるヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有無を調べられるキットを開発した。欧米先進国に比べ、日本の子宮頸がん検診受診率は低い。女性が自身の健康状態を見直すきっかけを作り、がんの早期発見につなげる。
アイラック社長を務める筑波大の佐藤孝明特命教授(分子腫瘍学)は、「月経血には健康やさまざまな疾患に関する重要なサインが含まれている」と指摘する。
月経血には血液のほか、子宮内膜細胞や膣(ちつ)分泌液などが含まれ、ホルモンバランスや子宮の健康状態を反映する。子宮頸がんや子宮体がん、子宮内膜症といった女性特有の病気の発症部位の近くから排出されるため、病気の早期発見や仕組み解明につながる情報を得られる可能性がある。
女性のがんを長年研究してきた佐藤さんは、月経血を活用して女性の健康に貢献したいと考え、令和6年からユニ・チャームと共同で研究を始め、HPV感染の有無など月経血が持つ情報を調べて活用するサービス「ソフィ FemScan(フェムスキャン)」を開発した。
子宮頸がんは、HPV感染が持続することで、数年かけて発症に至る。そのため、感染の有無を定期的に調べれば、予防や早期対応につながる。
日本における子宮頸がん検診の受診率は4年に43・6%で、7割を超える欧米先進国に比べて低い。検査に伴う不快感や痛みのほか、通院する時間を作りづらいことが受診の壁となっている。
■結果はアプリで通知
そこで、アイラックとユニ・チャームが開発したのが、手軽に検査できるキットだ。普段使っている生理用ナプキンに吸収パッドを重ねて使い、経血を採取。経血を濾紙(ろし)に転写して乾燥ケースに入れて郵送する。検査所で、取り出したDNAに含まれる遺伝子を解析し、アプリで結果を通知する。従来の検診に置き換わるものではなく、陽性だった場合は、医療機関での精密検査を促す。
ユニ・チャームのグローバル開発本部チーフテクノロジスト、宗(そう)達也さんは「生理の時期にさらに負担にならないよう、日常を大きく変えずに安心して使ってもらえるよう開発した」と語る。
引用元:
月経血を郵送しHPV検査、子宮頸がんを予防 ユニ・チャームと筑波大発ベンチャーが開発 3・8国際女性デー(Yahoo!ニュース)