乳房を切除しない乳がんの新治療法「ラジオ波 焼灼しょうしゃく 療法」(RFA)を徳島大病院(徳島市)が県内で初めて導入し、実績を上げている。対象は早期がんに限られるが、部分切除術に比べて傷が小さく、乳房の変形も抑えられる。RFAを手がける食道・乳腺甲状腺外科の井上寛章医師(42)は「患者にとって新たな選択肢となっている」と話す。(吉田誠一)

RFAによる治療のイメージ図=徳島大病院提供
 RFAは全身麻酔の後、エコー(超音波)画像でがんの位置を確認しながら、電極が付いた細い針( 穿刺針せんししん )で貫き、徐々に電流の出力を高めて患部を焼く。リンパ節に転移がないか、焼き残しがないかを確認後、乳房を冷却する。これらの処置は30〜60分で終わり、数日間入院。その後、抗がん剤、ホルモン剤などの薬物療法や放射線治療に移行する。


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 2004年に肝臓がんで初めて保険適用されたRFAは、その他のがんにも拡大。乳がんには23年12月に適用された。日本乳 癌がん 学会が認定した施設、術者のみが施術している。同学会のまとめでは、昨年12月現在で全国に約130施設ある。徳島大病院では、専用機器を肝臓がんなどに使ってきたが、24年9月から乳がんに導入した。



 徳島市の女性看護師(68)は24年5月、孫を抱いて疲れた上半身を自分でマッサージしていた際、右胸の小さなしこりに気づいた。数日後に専門クリニックを受診。小さな乳がんとわかり、徳島大病院を紹介された。「切除も仕方ない」と覚悟していたが、井上医師からRFAを提案されて同意した。

 昨年9月、3泊4日の入院で施術。帰宅時には右腕を動かせた。1か月後から放射線治療が始まり、同11月末までほぼ毎日通院。翌月には仕事に復帰できた。趣味の水泳も再開した。週に2、3回通い、プールやジムの共同風呂でも胸の小さな傷痕に他人が気づくことはないという。

 女性は「術後の痛みが少なく、回復も早い。見た目でわからないので、自分でも忘れているほど」と喜び、「早く気づけたのがよかった。皆さんもできるだけ早く受診してほしい」とアドバイスする。



 RFAの対象は同学会の適正使用指針で、がんが直径1・5センチ以下、リンパ節への転移がない、放射線治療ができる――などに限定されている。この新治療法はまだ広く知られておらす、初期がんのうちに発見、受診できた患者に限られるため、徳島大病院でも施術は年間数件だ。手術費は3割負担で約6万円となっている。

 井上医師は「指針よりも安全に施術しており、10月の乳がん月間を中心に講演会などを開き、もっと広めたい」と話す。



引用元:
乳がん治療切除せず 徳大病院RFAを導入(読売新聞オンライン)