日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「謎の苦味、肌荒れ…“なんとなく調子が悪い”が続き気をつけていること」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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「なんだか苦い味がする」と感じたのは、コロナ禍のある時期でした。外出や買い物の機会が減り、食事が偏りがちになっていた頃、口の中に苦味を感じるようになったのです。当時はまず、「もしかしてコロナではないか」と考え、検査も受けました。しかし結果は陰性でした。コロナ感染ではないと分かったことで、かえって「これは何かおかしい」と強く感じるようになりました。

 ちょうどその頃、上腕の皮膚がこふき芋のように細かくめくれるように荒れてきました。単なる乾燥とは違う違和感があり、味覚の変化と皮膚症状を同時に説明できる原因として思い至ったのが、亜鉛欠乏でした。コロナ禍で「味覚障害」という言葉が広く知られるようになりましたが、味の異変は感染症に限らず、栄養状態の変化でも起こることがあります。

 その後、医療機関で相談し、亜鉛製剤を処方してもらいました。服用を続けるうちに、あれほど気になっていた苦味は次第に消えていきました。処方された薬を約3カ月間続けた頃には、苦味は完全に気にならなくなり、気づけば上腕の皮膚の細かい荒れも、いつの間にかすっかり良くなっていました。症状が静かに消えていく経過を振り返り、当時の違和感は一過性の体調不良ではなく、やはり亜鉛欠乏によるものだったのだと実感しました。

■症状が消えると「治った」の繰り返し

 ただ、その後が問題でした。体調が良くなると、どうしてだか、亜鉛のサプリメントを飲むことを忘れてしまうのです。症状が消えると、「治った」という感覚が先に立ち、補っていたという事実が意識から抜け落ちてしまいます。その結果、しばらくしてまた口の中に苦味が戻り、「まただ」と思って慌ててサプリメントを飲み始める――そんなことを何度も繰り返してきました。

引用元:
謎の苦味と肌荒れ”なんとなく調子が悪い”が3カ月続き…女性医師が経験した「亜鉛不足」 あなたは大丈夫?(Yahoo!ニュース)