妊婦の血液を採取して胎児の病気を調べる新型出生前検査(NIPT)について、慈恵医大など全国11医療機関が、胎児の全ての染色体を調べる臨床研究を2月にも始める。胎児の病気が疑われる妊婦約2000人を対象に、検査精度の検証などを行う。

【図】一目でわかる…臨床研究はこのように行われる

 人間の染色体は計23対(つい)46本ある。通常は2本ずつだが、1本や3本になったり、欠失や重複があったりすると、先天性の心臓病や発育の遅れなどにつながることがある。NIPTは、日本医学会の運営委員会が認証した約600医療機関で、ダウン症に関わる21番目や、18番目、13番目の三つの染色体に限り行われている。

 今回の研究には、慈恵医大を中心に大学病院など日本医学会の運営委が認証した医療機関が参加する。染色体の数や、欠失・重複を調べる。超音波検査などで胎児の病気が疑われたり、過去に染色体に関する病気の子どもを出産したりした妊婦で、妊娠10週以降37週未満の18歳以上を対象とする。希望者には検査結果を伝え、陽性の場合には原則、診断を確定させるために妊婦の腹部に針を刺して子宮内の羊水を採取する検査を受けてもらう。

 研究は2030年3月末まで実施する予定。検査精度の検証に加え、この検査を行える施設の条件を整理し、検査の実施前と実施後の遺伝カウンセリングなどに必要な支援体制も整備する。

 この研究の背景には、日本医学会の運営委の認証を受けていない医療機関が、三つの染色体以外の病気の検査も実施している現状がある。

 胎児の病気がわかった際には人工妊娠中絶など命を巡る重い選択を迫られるケースもあるが、三つ以外の病気では検査精度が十分に確立されていない。だが、検査の認証を受けた医療機関の報告によると、美容外科や整形外科など専門外の医療機関がNIPTを実施している。郵送で陽性の結果を通知し、その後の相談に応じないなどのトラブルも起きている。


医療

 研究体制は、産婦人科医をはじめ、小児科医や遺伝の専門医など様々な領域の専門家で構成され、多角的な視点で結果を検証するとしている。

 ◆新型出生前検査=妊娠9〜10週以降の妊婦の血液中に混じる胎児のDNAから染色体の病気の可能性を調べる。国内では21番目(ダウン症候群)、18番目(エドワーズ症候群)、13番目(パトウ症候群)の染色体を対象に2013年4月に始まり、比較的高い精度で判定できる。

引用元:
胎児の病気調べる新型出生前検査、11施設が全染色体で臨床研究へ…専門外の医療機関による検査でトラブルも(Yahoo!JAPANニュース)