赤ちゃんが母乳を飲めているか――。産後の女性が、少なからず不安になるこの問題に挑む研究者がいる。摂南大学准教授の西恵理さんだ。企業と共同で、赤ちゃんが上手に母乳を飲めそうなのかわかるデバイスを開発。2027年には製品化も予定している。

【動画】赤ちゃんの哺乳運動と分析装置を使う様子

 生まれたての赤ちゃんが母乳やミルクを飲む方法は、大人がストロー飲みする方法とは違う。

 ストロー飲みは舌全体で口の中を陰圧にして吸い上げるが、赤ちゃんは舌を先から根元へ波打つように動かすことで、陰圧もつくりつつ、乳首を圧搾して飲んでいる。「吸(きゅう)てつ状態」という。

 西さんは、約20年間で延べ200人近い赤ちゃんについて、「吸てつ状態」における舌の動きや力を計測。うまく飲める子と飲めない子の違いを研究してきた。わかったことを生かして、高機能素材メーカーの「住友ベークライト」と、赤ちゃんの吸てつ状態を見える化し、評価するデバイスを作った。

 デバイスは小指の先と、手の甲に着ける。力センサーがついた小指の先を赤ちゃんにくわえさせると、舌の動きを感知。手の甲部分のマイコンから、無線でパソコン画面上にグラフとして表示される。

 時間とともに波のように動くグラフから舌の動き、山の高さから力の大きさが分かる。計測後には吸てつ状態を5段階で評価した結果も示される。

 産後ケア施設などでの調査では、助産師から通常の授乳指導を受けた場合と、デバイスも使って授乳指導を受けた場合では、後者の方が、指導後の授乳への自信度が平均で約3割高かったという。

朝日新聞社

引用元:
赤ちゃんの哺乳運動のうまさ「見える化」 200人分析して装置開発(Yahoo!ニュース)