内密出産の意義などを語る慈恵病院の蓮田健院長(右)と蓮田真琴新生児相談室長=熊本市西区の慈恵病院で2025年12月11日午後3時33分、中村敦茂撮影
 望まない妊娠に悩む女性が病院以外に身元を明かさずに子どもを産む「内密出産」を運用する慈恵病院(熊本市)は、2021年12月の初事例から4年となるのに合わせて記者会見を開いた。蓮田健(たけし)院長は自宅などでの危険な孤立出産を防ぐ役割を果たしているとして、「内密出産は意義深いと思っている」と強調した。

 慈恵病院は07年から、親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を運用。孤立出産の末の預け入れ事例も少なくなかったことから、院内でお産ができる内密出産を導入した経緯がある。25年11月までの4年間で60例を扱った。

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 蓮田氏は12月11日にあった記者会見で60例の分析結果を公表。帝王切開が必要となった事例がうち10例あり、大量出血を伴うケースもあったと説明した。1人で出産していれば、死産となったり、仮死状態で生まれたりする恐れがあったとし、「病院の中で出産していただく(内密出産の)意義は大きいと思っている」と実感を込めた。

 4年間の経験を踏まえ、ゆりかごと内密出産に必要なマンパワーの違いにも言及した。

 ゆりかごでは女性との接触がほとんどないのに対し、内密出産は事前の相談から出産前後のケア、子どもの出自を知る権利のための情報収集などで女性とのやり取りが不可欠。相談員が女性との信頼関係を築きながら日々対応にあたっていると説明し、「ふたを開けてみると、内密出産はものすごくマンパワーが必要だった」と振り返った。




 この1年の間には、未成年が内密出産を希望した事例もあった。親に知らせなくてよいかと悩みながらも、受け入れたという。判断の難しい事例は今後も予想される。蓮田氏は「その都度悩みながら進めていかなくてはいけない」と話した。【中村敦茂】

引用元:
内密出産、4年間で60例 孤立出産防ぐ「意義深い」 慈恵病院(毎日新聞)