2025年に日本で生まれる日本人の子どもの数は前年比3.0%減の66万5000人程度となりそうだ。2年連続で70万人を割り、過去最少を更新する。少子化に歯止めをかける道筋はなお見通せない。
日本総合研究所の藤波匠主席研究員が25年11月までに公表された人口動態統計をもとに試算した。出生数は統計のある1899年以降、過去最少となる。団塊ジュニア世代が順次、出産適齢期を過ぎた2016年以降、10年連続で減少する。
出生数の減少率は22〜24年の5%台から3%台に縮む。藤波氏は「依然として深刻なペースだ。若者の子どもを持つ意欲は低く、結婚しても子どもを持たない夫婦が増えている」と指摘する。
婚姻数は前年から横ばいの48万5000組となる見通し。新型コロナウイルスによる行動制限などの影響で大きく減った後、24年は2年ぶりに増加した。25年の婚姻数は下げ止まったようにみえるが、将来の出生数の下支えにつながるかは不透明だ。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が23年に公表した将来推計人口は25年の出生数をメインシナリオの中位推計で74万9000人と見込んでいた。66万人台となるのは41年のはずが大幅に早まる。今回の試算は社人研がより低く見積もった低位推計(65万8000人)に近い。
少子化の背景には仕事と育児が両立しにくいことや若年層の経済的な不安のほか、価値観の変化など様々な問題が絡む。経済や社会保障を支える現役世代の減少は避けられない。人手不足が深刻になり、医療や介護、行政サービスの安定運営も難しくなる。
政府は11月、高市早苗首相をトップとする「人口戦略本部」を立ち上げた。子育て支援や少子化対策にとどまらず、地域産業の維持や人工知能(AI)の活用、外国人との共生など人口減少を直視した対策が幅広い分野で欠かせない。
厚生労働省は例年2月ごろに日本に住む外国人や海外で生まれた日本人を含む前年の「速報」を、6月ごろに日本で生まれた日本人に限った「概数」を公表している。藤波氏は概数と同じ定義で試算した。
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高橋祥子
TAZ Inc. 代表取締役社長
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貴重な体験談私が第一子を出産した2020年は出生数が約85万人だったのが、わずか5年で1学年の人口が20%以上も減るという数字の重さに改めて驚愕します。
ただ、やはり同世代で育児と仕事の両立に苦労している人は多く、2人目、3人目を望みたくなる労働環境・社会制度ではありません。「出産育児を応援されている」と感じる社会には程遠いです。
少子化対策は育児支援だけの話ではなく、長時間労働を前提とした働き方、家事育児を個人に押し付ける文化、経済的不安、子どもを持つのがリスクになる社会心理等の問題もあります。子どもを望む人が安心して産み育てられる社会に本気で舵を切れるかが、人口減少時代の最重要な国家戦略だと思います。
2025年12月4日 12:53
引用元:
日本経済新聞 25年の出生数は最少66.5万人 民間試算、結婚数は横ばい(日本経済新聞)