乳幼児の重い肺炎を防ぐための妊婦向け「RSウイルスワクチン」について、兵庫県姫路市は12月1日から市民を対象に接種費用3万〜3万5千円程度のほぼ半額を助成する。このワクチンは定期接種ではないため、接種費用の全額となっている自己負担を軽減する。

 助成は県内で初めて。市が調べた範囲では、全国19自治体で同じ取り組みをしている。

 RSウイルス感染症はほぼ全ての子どもが2歳までにかかるとされる。多くは風邪のような症状で終わるが、新生児や乳児、高齢者では重い気管支炎や肺炎になる恐れもある。治療薬はない。

 ワクチンは米ファイザー社製で、妊娠24〜36週の妊婦に1回接種する。抗体が母体から胎児に移行することで、生まれてきた子どもの発症や重症化を防ぐ。昨年に日本で薬事承認された。

 費用の高額さと新しいワクチンへの理解不足などから接種は進んでおらず、市によると、メーカー公表の推計接種率は県内で1割程度にとどまっている。

 市はこれを6割程度にするべく、9月補正予算に費用の約半額となる1人1万5千円の助成費700人分(1058万円)の予算を組んだ。次年度以降も継続する。

 医師である清元秀泰市長は7日の定例会見で「入院が必要となれば、患者である赤ちゃんはもとより保護者の負担も大きくなる。おなかの中で成長している未来の市民を、しっかりと守っていきたい」と話した。

 市内の医療機関が市に要望したことで、今回の助成が実現した。会見に同席した姫路赤十字病院の水谷靖司副院長は「経済的な支援というだけでなく、地域みんなで赤ちゃんを守る大事な一歩だ」と語った。同院では4〜9月に72人の子どもが同感染症で入院し、長いケースで2週間以上に及んだこともあったという。

 また姫路産婦人科医会の北島隆史会長は「このワクチンへの関心が高まり、多くの妊婦が安心して接種を受けられるようになれば」と期待を述べた。

 接種を希望する市民は、市から助成券を受け取ったうえで、指定34医療機関(10月末現在)で接種を受ける。里帰り出産などで市外の医療機関で接種した市民へは、市が助成額と同じ額を本人へ払い戻す。

引用元:
妊婦向けRSウイルスワクチン接種費用を助成 姫路市、兵庫県内で初(朝日新聞)