血栓リスクがある40歳以上も服用できるピル
40代をはじめ、幅広い世代の女性に注目されるこの新世代ピルの効果・副作用・安全性を、産婦人科医が分かりやすく解説する。
2025年6月30日、厚生労働省が認可した経口避妊薬「スリンダ」の処方がスタートした。スリンダの特徴は、従来の経口避妊薬と異なり、「血栓症のリスクとなる成分を含まない」というメリットがある。「従来の経口避妊薬は、低用量ピルと呼ばれる卵胞ホルモン(エストロゲン)と合成黄体ホルモン(プロゲスチン)の配合剤でした。ですが、エストロゲンには血を固める作用があるといわれていて、血栓のリスクを考慮し、喫煙者、高血圧、肥満傾向の人は使用に制限がありました」
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SRHRの観点からも新たな一歩と言われる理由
「また、女性は40代以降に血栓を起こすリスクが上がるため、40代以上の人も経口避妊薬の使用に注意が必要とされてきたのです。このスリンダは、ドロスピレノンというプロゲスチンのみの経口避妊薬で、経口避妊薬としては日本初の処方となります」と言うのは、丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄医師だ。このプロゲスチンのみのピルは、俗に「ミニピル」「POP(プロゲスチン オンリー ピル)」という名前で浸透し、処方されたことがある人もいるかもしれない。
「ですが、それらは避妊薬ではなく、月経の悩みや子宮内膜症の治療として処方されているものです。成分は同じですが、今まで避妊薬としては承認されていませんでした。月経の悩みが治療薬で解決できるのは喜ばしいことですが、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)が注目される中、女性の体に安全な経口避妊薬の選択肢が増えることも、とても重要で意義があることです。そうした視点からも、日本でスリンダが承認されたことはSRHRの前進といえるでしょう」と宋医師。
避妊薬を使いたくても使えなかった人たちへ
さらに、今まで避妊したいのに、状況として難しいゾーンの人たちにも選択肢が増えるという利点もあるという。「例えば、出産後の授乳中にもこのタイプの経口避妊薬であれば使用可能です。授乳中は妊娠しないと思っていても妊娠するケースもあり、この時期の避妊に悩んでいる女性は少なくありません。また、“思いもよらない妊娠”というと10代や20代という若い世代のものと思っている人もいますが、40代で悩み中絶という選択をせざるを得ない人もいます。厚生労働省のデータを見ても、10代よりも40代の中絶数のほうが多いことがわかります。スリンダの登場は、その点でもメリットが大きいといえるでしょう」
引用元:
10代よりも40代に多い「中絶」「望まない妊娠」。日本初、40代でも安心して服用できるピル「スリンダ」が話題に(Yahoo!ニュース)