精子がないマウスに、精子を作らせることに成功したとする研究成果を、大阪大のチームが発表した。男性不妊の治療につながる可能性があるという。論文が米科学アカデミー紀要に掲載された。

 6組に1組のカップルが不妊に悩み、原因の半分は男性側にあるとされる。精巣で精子が正常に作られない「非閉塞(へいそく)性無精子症」の場合は、不妊治療が難しい。

 阪大の伊川正人教授(生殖生物学)らは、精子の形成に必要な酵素が作れない無精子症のマウスの精巣に、この酵素を作る「メッセンジャーRNA(mRNA)」が入った粒子を投与した。この方法は、新型コロナウイルスワクチンでも注目された技術だ。粒子を投与してから3週間後、精巣内で精子が作られたのを確認した。精子を採取し、体外で受精させる「顕微授精」を実施したところ、子どもも生まれた。

 同じ酵素の異常は、人でも見つかっているが、伊川教授は「無精子症には他の原因も関係しているとみられ、調べていきたい」と話している。
石黒啓一郎・千葉大教授(生殖発生生物学)の話

 「画期的な成果で、この方法なら健康被害のリスクも少ない。採取できる精子の量を増やすなど、人の治療に向けた研究を進めてほしい」

引用元:
無精子症マウスに精子作らせ子どもも誕生、新型コロナワクチンでも注目された「mRNA」使い成功…男性不妊治療につながるか(読売新聞)