今年3月末時点で、山形県の子宮頸(けい)がん予防ワクチンの接種率(16歳)が82.1%となり全国首位になった。8割超は接種に積極的なカナダや豪州と同等という。啓発活動の中心となった県産婦人科医会は関係機関と連携した周知のほか、学校や多くの人が利用する店舗に依頼し啓発ポスターを掲示するなど、本県独自の草の根作戦が奏功したと分析している。

 全国首位になったのは、子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを1回以上接種した人の割合を示す累積初回接種率。2位秋田(72.7%)、3位岡山(67.9%)と続き、最下位は沖縄(24.4%)だった。全国平均は55.8%。

 医療関係のシンクタンク「エムスリー総合研究所(M3総研)」(東京)によると、他県では自治体からの接種通知の送付や、医師が個別に声がけするなどのアピールにとどまる。

 本県は同医会がオリジナルの啓発ポスターを作り、医師らがつながりのあるスーパーやラーメン店、菓子店などに配布、掲示してもらった。買い物中や飲食中の人にワクチンの存在を知らせることで「わが子だけでなく、めいや友人の娘などに対しても接種時期や必要性を伝えてもらえたのではないか。この接種率の高さは、まさに市民の協力があってこそ」と同医会常務理事の井上聡子さん(57)=山形市=は感謝する。

 学校での性教育の充実も接種率を押し上げたという。県は1995年から専門医派遣事業を実施。さらに県産婦人科医会は2020年に専門チームを立ち上げ、24年度は小中高などで年間約100件の講話を行った。これにより、行政と医師会、学校の連携が取れ、接種を広く呼びかけることができた。

 M3総研は公費で接種できる選択肢を提示しようと、今年7月に接種率を推計したインターネットサイトを開設。全国と都道府県別の接種状況を公表している。

 ◇子宮頸がん 子宮の入口に近い部分にできるがんで、若い女性に多くみられる。日本では年間約1万1千人が罹患(りかん)し、約2900人が亡くなっている。原因のほとんどは性交渉によるHPV感染とされ、性交渉の経験がある女性の多くが一生に一度は感染するといわれる。感染しても自然に消えるケースが多いが、感染状態が続くと数年から十数年で前がん状態、子宮頸がんに進行することがある。予防ワクチンは2013年に定期接種化され、小学6年〜高校1年の女子が無料で受けられる。

引用元:
子宮頸がん予防ワクチンの16歳接種率、山形県82.1%で全国首位 県産婦人科医会、草の根作戦が奏功(Yahoo!ニュース)