望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬が、2026年の春ごろにも市販化される見通しとなりました。福岡ではことし、赤ちゃんが遺棄される事件が相次いでいます。薬の市販化は事件を防ぐことにつながると期待される中、出産する女性を支える取り組みも進められています。
厚生労働省の専門部会は8月、緊急避妊薬「ノルレボ錠」を市販薬として販売することを了承しました。
緊急避妊薬は「アフターピル」とも呼ばれ、女性が性行為後、72時間以内に飲めば高い確率で妊娠が防げるとされています。
現在は購入の際に原則、医師の診察が必要です。市販化されれば、研修を受けた薬剤師の前で服用することなどを条件に、女性が薬局などで購入できるようになります。年齢制限はなく、親の同意も不要です。
産婦人科の医師は、市販化の利点について次のように話します。
■ガーデンヒルズウィメンズクリニック・渡邊忠義 院長
「産婦人科病院は若い女性にとって敷居の高いところでもありますし、病院に行かず薬を処方してもらえるメリットはあると思います。」
ただ、あくまで病院の受診が安心だと話します。
■渡邊院長
「薬自体がホルモン剤で、気をつけて飲まないといけない薬だと思いますし、病院で私たちが見れば、妊娠しやすい時期か、薬を飲む必要はない時期かの判断はある程度できる。」
市販化について、街の人たちは。
■街の人
「いいと思うけれど、親にも言わず避妊薬を使えるのは無責任になりそう。」
「望まない妊娠とか不本意な妊娠をしてしまった時、そういったものがなくなればいいのではないのかなと思います。」
こども家庭庁によりますと、おととし3月までの1年間で、心中以外の虐待により死亡した0歳児は25人に上ります。このうち13人が、出産直後に遺棄されました。
予期せぬ妊娠から、事件に至ったケースも確認されています。福岡県内でもことし、同様の事件が相次ぎました。
■白野寛太記者
「女はこちらのアパートの一室で、生まれて間もない女の子の遺体をビニール袋に入れて放置したとされています。」
ことし3月、自宅で出産した女の赤ちゃんを遺棄したとして、35歳の女が逮捕・起訴されました。
「誰かに見つけてほしくて
6月には、福岡県大川市でへその緒がついた男の赤ちゃんの遺体が見つかりました。
7月には、福岡市の17歳の少女が、出産直後に男の赤ちゃんを遺棄したとして逮捕されました。
『誰かに見つけてほしくて、供養したかった』
警察の調べに、こう話した少女。逮捕された2人は、いずれも妊娠や出産について周りの人に相談していませんでした。こうした孤立出産は遺棄につながる一因だとして、こども家庭庁は妊婦の支援体制を広げることを重要視しています。
福岡市のComomotie (こももティエ)は、県内に4つある母子支援施設の一つです。妊娠などにまつわる匿名の相談に電話やSNSで、いつでも対応しています。
■相談員
「中絶をしたいという方で、どういったところで、いくら金額がかかるのかとか。」
「生理が来ない」「妊娠したが出産しようか迷っている」など、寄せられる相談は年間400件以上に上ります。経済的な困窮など事情がある産前産後の母子には最長で半年の間、家具や家電を備えた部屋を無料で貸し出し、スタッフが寄り添いながら生活を支えます。
■Comomotie(こももティエ)・瀬里徳子センター長
「1人で抱え込まずに、まずは相談をしていただきたい。赤ちゃんの命を守ることにもなるし、お母さんの命を守る、幸せな人生を送っていただくことにもつながると思います。」
望まない妊娠を防ぐことや、妊娠中の孤立や困窮に対する支援を広げることで、悲しい事件を1つでも減らせるように。社会の取り組みが、1歩ずつ進んでいます。
引用元:
緊急避妊薬が2026年春にも市販化へ 予期せぬ妊娠「一人で抱え込まないで」乳児遺棄を防ぐために 福岡(日テレNEWS NNN)