頬に赤い発疹が生じることから、リンゴ病とも呼ばれる感染症「伝染性紅斑」が流行しています。子どもがかかることが多く、妊婦が感染した場合には流産や死産につながる恐れがあります。予防は基本的な感染対策が重要となります。(冨山優介)

患者数最多
伝染性紅斑(リンゴ病)…胎児重篤化も 妊婦注意
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 伝染性紅斑は「ヒトパルボウイルスB19」と呼ばれるウイルスが原因で感染します。患者のせきやくしゃみの 飛沫ひまつ に含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」や、ウイルスが付いた手で口や鼻などの粘膜に触れることによる「接触感染」が主な経路と考えられています。このウイルスは赤血球のもととなる「赤芽球前駆細胞」などに感染し、増殖します。

 国立健康危機管理研究機構(JIHS)によると、5〜9歳の感染者が最も多く、0〜4歳の年代が続きます。成人がかかることもあり、医療機関で集団感染が起きた事例も報告されています。これまで数年おきに流行を繰り返してきましたが、2020〜23年は患者数が大きく減りました。新型コロナウイルス感染症の流行拡大で、感染症対策が徹底された影響とみられます。

 今年は5月以降に急増しています。全国約2000か所の小児科から報告された、1医療機関あたりの1週間の患者数は、2人前後で推移しています。6月16〜22日には2・53人となり、現在の集計方法となった1999年以降で最多となりました。

 コロナ禍で伝染性紅斑にかかる人が少ない時期が長く続いたため、原因のウイルスへの免疫が社会全体で下がったことが流行の要因ではないかとみられています。

 伝染性紅斑は、4〜10日間の潜伏期間の後、微熱や風邪の症状が出ます。その後、頬に鮮明な赤い発疹が現れ、体や手足には網目状やレース状のブツブツが広がります。

 発疹は1週間程度でなくなります。かゆみを伴うことがあり、直射日光を浴びたり、入浴したりすると症状は強くなります。成人の場合、関節痛を伴う関節炎や頭痛などの症状が出ることもあります。

 ウイルス学が専門の大阪健康安全基盤研究所公衆衛生部長の本村和嗣さんは「患者のうち、約6割が風邪のような症状のみで、約2割は無症状です。紅斑が生じる典型的な症状が出るのは、患者の約2割にとどまります」と説明します。

 発症したら、症状が治まって自然に体力が回復するのを待つことになります。発疹が出た時点では、ウイルスが体外に排出されることはほとんどなく、他人に感染させる力も失われます。

引用元:
伝染性紅斑(リンゴ病)…胎児重篤化も 妊婦注意(ヨミドクター)