「女性の一生のかかりつけ医に」
飯田下伊那地域で唯一お産ができる飯田市立病院
長野県飯田市川路のJR飯田線天竜峡駅近くで、同市出身の産婦人科医、高野宏太さん(37)=飯田市=が「たかのレディースクリニック」を開業した。高齢で閉院を考えていた平岩ウイメンズクリニックの平岩幹夫院長(77)から建物や設備、助産師らスタッフを引き継いだ。高野さんは「女性の一生のかかりつけ医でありたい」と気持ちを新たにしている。
【写真】クリニックで地域医療を支える思いを語る高野宏太さん
実習で立ち会ったお産に感動
高野さんは飯田高校(飯田市)に入学し、親の転勤で2年から長野吉田高校(長野市)で学んだ。両親が医療関係の仕事をしていたことで興味を持ち、「困っている人を助ける仕事がしたい」と山梨大医学部に進学。5年の実習で立ち会ったお産に感動し、産婦人科を選んだ。
自信を深める中で訪れた転機
初期研修を経て信州大産科婦人科学教室に入局。飯田市立病院のほか、県立こども(安曇野市)、県厚生連北信総合(中野市)、諏訪赤十字(諏訪市)などの病院に勤務した。「スキル(技術)が足りず悔しい思いをしたが、経験を積み、誰かの役に立てると思えるようになった」。自信を深める中で転機が訪れた。
思いがけない提案
昨春、飯田市立病院勤務時に知り合った平岩さんから来たメール。高齢で閉院を考えており、クリニックを引き継がないか―との趣旨だった。飯田下伊那地域で産婦人科がある病院・診療所は6カ所だけ。お産ができるのは飯田市立病院しかない。思いがけない提案だったが、平岩さんと話すうちに「飯田下伊那のために働きたい」と決断した。
不妊治療を充実
準備を経て、今年5月にたかのレディースクリニックを開院。分娩(ぶんべん)は扱わないが、人工授精など一部の不妊治療を充実させた。新たに電子カルテを導入し、ホームページを開設、インターネット予約も始めた。平岩さんは「継いでもらったことは患者さんや従業員、地域の他の産婦人科にとっても良かった。砂漠でダイヤモンドを拾ったようなものだ」と喜ぶ。
かかりつけ医の大切さを実感
高野さんが、総合病院の医師から「町のお医者さん」になって1カ月余り。近隣の下條村や阿南町から訪れる患者もいる。「先生がここに来てくれて良かった」との声を聞き、かかりつけ医の大切さを実感する。「敷居の低いクリニックにしたい。困った時には気軽に相談に来てほしい」と話している。
引用元:
きっかけは1通のメール… 地域にわずかしかない産婦人科、閉院の危機に直面した医院を引き継いだ37歳医師の思い(Yahoo!ニュース)