百日咳は、子どもを中心に激しい咳が続く感染症です。
多くは抗菌薬などで治癒しますが、乳児では重症化しやすく、まれに死に至ることもあります。また、最近では耐性菌という厄介なタイプも広がっています。
新生児期はワクチン接種前のため特に注意が必要で、妊婦さんのワクチン接種が大事な予防策の一つとなります。
今回は、百日咳の流行拡大を受けて、産婦人科医として妊活中の方や妊婦さんに知っておいてほしいことをまとめます。
ココがポイント
先月27日までの1週間の百日せきの感染者数は2176人で、現在の方法で統計を開始して以降、初めて2000人を超えました
出典:日テレNEWS NNN 2025/5/7(水)
百日咳のワクチンは、生後2か月から公費で打つことができますが、その後の追加接種は、自己負担となります。
出典:チバテレ 2025/5/2(金)
百日咳にかかる原因として、定期のワクチン接種を受けていたとしても、時間とともに予防効果が低下することが挙げられます
出典:倉原優 2025/4/16(水)
国の研究班は妊婦にワクチンを接種することで感染を防ぐ「抗体」が生まれたばかりの乳児に移ることが確認できた
出典:NHK 2025/4/30(水)
エキスパートの補足・見解
今年4月に国立健康危機管理研究機構が発表したまとめでは、百日咳に感染した生後1ヶ月の女児が死亡していたことも明らかになっています。生後2ヶ月未満の赤ちゃんはワクチンを接種できず、無防備で感染ハイリスクな状態となってしまいます。
そこで大事になるのが「妊娠中のワクチン接種」です。
オーストラリアや欧米諸国などの海外では、妊娠後期の妊婦さんに対し百日咳を含む3種混合ワクチン(Tdapと呼ばれるもの)を接種し、母親から乳児に抗体を移行させる予防策が推奨・普及していて、感染や死亡のリスクを最大9割程度下げられることがわかっています。しかし、日本では現在、Tdapは認可・販売されていません。
日本で使える百日咳含有ワクチンのうち、3種混合ワクチン「DTaP」(製品名:トリビック)は妊婦への接種が可能で、国の研究班によって新生児への抗体移行が研究で確認されています。妊婦へのDTaP接種による乳児百日咳の重症化予防効果はまだ直接確立されていませんが、海外の動向や研究結果を踏まえると、予防効果が期待できるものと考えられます。
妊活中や妊娠中の方は、ぜひかかりつけの産婦人科医に相談してみてくださいね。
引用元:
百日咳の流行拡大、産婦人科医として妊活中の方や妊婦さんに知っておいてほしいこと (Yahoo!ニュース)