女性が年を重ねると妊娠しにくくなることは知られているが、男性はどうか。「何歳になっても子どもを持てる」と思う人が多いかもしれない。
 だが、横浜市立大市民総合医療センターの湯村寧・生殖医療センター男性不妊部長は「男性も加齢によって精子の質が落ち、妊娠しにくくなったり流産が増えたりすると報告されている。男性の不妊についてもっと知ってほしい」と話す。

カップルが子どもを望んでいるのに授からない不妊は、世界保健機関(WHO)などの調査によると、男性にも原因がある場合が半数近くある。

 精子の質は、精子の運動率や形などで評価される。治療を担当する泌尿器科では、精子の質低下につながる原因を探り、禁煙など生活習慣の改善を助言するほか、症状によっては手術も行う。
 体外受精などの高度医療を受けるにしても「精子の質が向上すれば体外受精の数を1回でも減らせる可能性があり、カップルの精神的、金銭的負担を軽くできる」と、湯村さんは男性側の治療の意義を強調する。
 2022年から公的医療保険が適用される不妊治療の範囲が広がり、男性が治療を受けるハードルも下がったといわれる。湯村さんらのセンターを訪れる新規の男性不妊患者は、開設時の12年から約10年で約4倍になったといい、男性患者のニーズの高さが示された。
 ただ、日本生殖医学会が認定する生殖医療専門医は、24年4月時点で、女性を診る産婦人科医が約千人いるのに対し、泌尿器科医は約80人にとどまり、男性不妊の専門的な治療を受けられる場は少ない。湯村さんは「特に地方での専門医養成が課題だ」と話す。

引用元:
知ってほしい男性の不妊 「精子の質」向上が大切(47NEWS)