昨年(2024年)10月診療分の医療費上位疾患などを見ると、新型コロナウイルス感染症は「流行→沈静化→流行→沈静化・・・」を繰り返していることが確認できる—。

また、依然として「乳がん」医療費が極めて大きなシェアを占めていることも確認できる—。

健康保険組合連合会(健保連)が4月18日に公表した「健保組合医療費上位30疾病に関する動向調査」(2024年10月診療分)結果から、こうした状況が明らかになりました(健保連のサイトはこちら)(2024年7月分の状況に関する記事はこちら)。コロナ感染症は落ち着きを見せていますが、介護現場などでは依然としてクラスターも発生しており、今後の動向を引き続き注視する必要があります(関連記事はこちら)。

また、乳がん検診の早期受診をより強く勧奨し、早期治療を促すことが、医療費の適正化にとっても、女性自身のQOL向上にとっても、社会にとっても非常に重要です(関連記事はこちら)。

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医療費全体のトップ疾患は喘息、コロナ感染症は「流行→沈静化」を繰り返す
医科入院の医療費トップは心房細動・粗動、乳がん医療費も上位に入る
医科入院外でも「女性乳がん」が医療費上位疾患に入る
医療費全体のトップ疾患は喘息、コロナ感染症は「流行→沈静化」を繰り返す
健康保険組合(健保組合)は、主に大企業に勤める会社員とその家族が加入する公的医療保険です。健保組合の連合組織である健康保険組合連合会(健保連)は、さまざまな角度からレセプトを分析し各種提言を行うなど、従前より「データヘルス」に積極的に取り組んでいます。

今般、昨年(2024年)10月診療分のレセプトをもとに、「健保組合加入者はどのような疾患に多くかかり、医療費がどの程度かかっているのか」を分析しました。調査対象は1278組合・2623万1624人名の加入者のデータです。

まず医科全体で見ると、医療費シェアトップ3は、次のようになりました。
【2024年10月】
(1)喘息:医科医療費全体の3.21%(2024年7月に比べて0.49ポイント増)
(2)本態性(原発性<一次性>)高血圧(症):同2.82%(同0.02ポイント増)
(3)血管運動性鼻炎及びアレルギー性鼻炎<鼻アレルギー>:同2.75%(同0.47ポイント増)


2024年10月医科医療費上位30疾患1(2024年10健保組合医療費上位30疾患1 250418)


2024年10月医科医療費上位30疾患2(2024年10健保組合医療費上位30疾患2 250418)



コロナ感染症は11位(2024年7月は1位)にまで落ち、医科医療費に占める割合は「2024年7月:3.13%」から「2024年10月:1.48%」へ1.65ポイントも減少しています。依然として「流行→沈静化→流行・・・」を繰り返している状況が伺えます。

また、ほぼ女性のみの疾患である「乳房の悪性新生物」は、2024年10月には「男女計の医科医療費第6位」に入り、医科入院医療費に対するシェアは1.93%を占めています。早期の治療が生存率向上にとって極めて重要なことから、検診の受診勧奨、自己点検などをさらに啓発していく必要があります。

医科入院の医療費トップは心房細動・粗動、乳がん医療費も上位に入る
次に医科の「入院」に限定して医療費シェアを見てみましょう。

トップ3は、次のような状況です。
【2024年10月】
(1)心房細動及び粗動:医科入院医療費の2.85%(2024年7月に比べて0.45ポイント増)
(2)処置の合併症:同2.09%(同0.01ポイント増)
(3)脳梗塞:同1.89%(同0.03ポイント増)


2024年10月医科入院医療費上位30疾患1(2024年10健保組合医療費上位30疾患3 250418)


2024年10月医科入院医療費上位30疾患2(2024年10健保組合医療費上位30疾患4 250418)



コロナ感染症は10位(2024年7月は3位)に落ち、医科入院医療費に占める割合は「2024年7月:2.02%」から「2024年10月:1.40%」へ0.62ポイント減少しています。

また「乳房の悪性新生物」は、2024年10月には「男女計の医科入院医療費第4位」で、医科入院医療費に占めるシェアは1.89%を占めています。「乳がん患者が依然として多い」ことから、早期発見・早期治療の重要性を再確認できます。

医科入院外でも「女性乳がん」が医療費上位疾患に入る
医科の「入院外」に目を移すと、医療費シェアトップ3は次のようになっています。
【2024年10月】
(1)喘息:医科入院外医療費の4.04%(2024年7月に比べて0.62ポイント増)
(2)血管運動性鼻炎及びアレルギー性鼻炎:同3.53%(同0.62ポイント増)
(3)本態性(原発性)高血圧(症):同3.51%(同0.01ポイント増)


2024年10月医科入院外医療費上位30疾患1(2024年10健保組合医療費上位30疾患5 250418)


2024年10月医科入院外医療費上位30疾患2(2024年10健保組合医療費上位30疾患6 250418)



コロナ感染症は15位(2024年7月は2位)にまで落ち、医科入院医療費に占める割合は「2024年7月:3.48%」から「2024年10月:1.50%」へ1.98ポイント減少しています。

なお外来においても、「乳がん」が医療費シェアの上位疾患に入っています(男女計の医科入院外医療費で、2024年10月は10位でシェア1.96%)。医療保険者には、こうした点を重く受け止めた対策(検診受診勧奨の強化など)を検討・実施することが強く求められます。

引用元:
新型コロナ感染症は依然「流行→沈静化・・・」を繰り返している、乳がんが「男女計」でも医療費上位に入る—健保連(Gem Med)