約7割の診療所が「分娩を止める」と回答
日本産婦人科医会・石渡勇会長
日産婦の調査では、保険適用化された場合に「分娩取り扱いを止める」または「制度内容により中止を考える」と回答した産科診療所は590施設中、401施設にのぼった(日産婦「地域における産科診療施設の事業継続見込みに関する調査」)。
つまり、アンケートに答えた施設のうち実に68%が分娩を止める可能性がある。
「日本産婦人科医会施設情報調査2023」によると2023年の分娩取扱診療所は1090施設とされている。その68%が閉院すれば、産みたくても産む場所がない「出産難民」が生じるおそれがある。
こうした状況から、日産婦の石渡勇会長は3月19日に実施された厚労省の検討会で以下のように述べた。
「妊産婦の経済的負担の軽減は大変重要なポイントと認識しておりますが、それだけに焦点を当てて産科医療機関が分娩を継続できない、地域の周産期医療が崩壊してしまう。こういうことがあっては本末転倒と考えます。
このようなことから、将来的にも安心・安全な産科医療を安定的に継続できるということが大前提。その上で、妊産婦の経済的負担の軽減も実現できるような検討が必要と思います。
現在、全国の分娩数、出生数の47%を地元の産科診療所が担っております。分娩機関がなくなった地域は、そこで少子化がますます加速すると思われますし…(中略)…分娩費用等の保険化が少子化対策に本当になるのか、改めて問いかけたいと思っております。
また、国が早急に財政支援をしなければ、地方は持ちません」
「世界一安全」な産婦人科医療が崩れるおそれ
「保険適用化が導入されれば『世界一安全』とされる日本の産婦人科医療が崩壊しかねない」と、日産婦は危機感を抱いている。
日産婦が求めるのは、保険適用化を阻止したうえで、窮状にあえぐ産科医療機関を国が支援すること。
群馬県高崎市は「産科医確保」の名目で病院に4000万円、診療所に2000万円の補助金を交付している。高崎市の施策は、産科医療機関の支援策のヒントとなるだろう。
また、少子化対策と合わせて、現行50万円の出産育児一時金を大幅にアップすることも検討されて然るべきである。
「出産」とは女性にとって大きな危険を伴うもの。国は、安全安心に出産できる体制を構築し維持する責務を負っている。その体制が、今、根底から崩れようとしている。
引用元:
「世界一安全」な医療が崩れる!? 少子化に苦しむ“産婦人科”「出産費用の保険適用化」がもたらす“負”のシナリオとは(Yahoo!ニュース)