風邪に似た症状が出て頬などに赤い発疹ができる伝染性紅斑(リンゴ病)の流行が続いている。県内の定点医療機関から1週間に報告された感染者数(医療機関1カ所当たりの平均)は、少なくとも1月下旬ごろから9週連続で全国1〜2番目に多く、2015年以来約10年ぶりに「警報」が発令されている。リンゴ病は子どもを中心に流行するが、妊婦が感染すると流産などにつながる恐れもあり、新年度を迎え、県や医療関係者らが感染防止を呼びかけている。

 県内48カ所の定点医療機関に報告された感染者数(1医療機関当たり)の推移は【グラフ】の通り。昨年の同時期は感染者がほとんどいなかったが、全国的な流行を受けて県内も11月ごろから増加がみられ、1月6〜12日の週に警報基準の「2人」を超えた。警報発令以降、解除の基準となる「1人」を下回らず、高止まりしている。国立感染症研究所によると、直近1週間(3月24〜30日)は1医療機関当たり1・90人(報告数は91人)と栃木県の2・33人に次いで2番目に多く、前週、前々週は全国最多だった。

 小学生の子を持つ福島市の主婦(41)は「風邪の症状が出たとしても、リンゴ病を疑うという発想があまりない。学校が始まって接触の機会も増えるので、自覚がないうちに流行が広がってしまわないかが心配」と危惧する。

 山藤福島医大主任教授「コロナ対策の反動」

 福島医大医学部感染制御学講座の山藤(さんどう)栄一郎主任教授(44)によると、リンゴ病は、風邪のような症状が出て数日〜1週間程度後に両頬などに赤い発疹が出る。発疹が出る前の時期の感染力が強く、発疹が出る頃には感染力がほぼなくなっているため「症状からリンゴ病を疑うのはきわめて難しい」という。

 新型コロナウイルスほど感染力は強くないが、コロナと同じように、飛沫(ひまつ)だけでなく、息を吐くなどして放出され、空気中に漂うウイルスを吸い込んで感染するため、集団生活を送る学校や家庭内などで感染しやすい。対策には換気やマスクの着用が効果的だという。

 子どもが重症化するケースはあまりないが、妊婦が感染すると3〜5割ほどの確率で胎児にも感染し、胎児が貧血になってしまうケースや、死産や流産に至ってしまう可能性もある。特に妊娠初期に注意が必要だといい「妊婦や基礎疾患のある人には侮れない病気」と指摘する。

 今年の流行については「もともと数年に1度程度、流行の波があったが、コロナ流行時の感染対策によって抑えられた。その波が今ひとまとめにきているのではないか」と推測する。新年度を迎え「マスクと換気が大切。可能であれば、風邪の症状があれば休むことも感染を広げないためには有効だ」と訴える。

引用元:
妊婦の感染で流産恐れも… リンゴ病流行、福島県内に警報 10年ぶり(福島民友)