山梨大学と読売新聞甲府支局が共催する連続市民講座第16部「知る喜び〜ひと・くらし・けんこう〜」の最終回となる第10回講義が15日、甲府市の山梨大甲府キャンパスで開催された。発生工学研究センターの若山照彦教授が「人類は宇宙で繁栄できるか〜クローンとフリーズドライ精子〜」と題して講義した。

国際宇宙ステーションでの実験を解説する若山教授(15日、甲府市で)
 人類は重力の異なる宇宙で子どもを作れるのだろうか――。SF映画や漫画では、人間が当たり前のように他の星で生活する様子が描かれているが、宇宙で子どもを作れるかはいまだ解明されておらず、哺乳類を用いた繁殖実験はほとんど行われてこなかった。


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 講義では、若山教授ら研究チームが、無重力で受精卵は発生できるかや、宇宙放射線で精子のDNAはダメージを受けるのかなどの疑問を調べるために、実験道具の開発から始めたと説明した。

 凍結した受精卵を宇宙飛行士が解凍して培養できる用具を作ったほか、宇宙まで精子を運べるよう凍結乾燥(フリーズドライ)する技術を世界で初めて開発した。

 実際に国際宇宙ステーション(ISS)で行った実験では、マウスの受精卵を無重力で培養することに成功。宇宙放射線に6年間さらしたフリーズドライ精子を使って正常なマウスが誕生したという。

 また、人間とともに家畜やペットが宇宙で繁殖するために必要な遺伝資源やクローン技術についても解説した。凍結乾燥させたマウスの体細胞を使い、同じ遺伝情報を持つクローンマウスを作り出すことができたと紹介。現在は、フリーズドライ精子を月の地下で保存するために、ISSで実証実験を行っているという。

 若山教授は「世界初となる成果をたくさん上げてきたが、まだまだ分からないことは多い。山梨で人類の宇宙生殖の可能性を、世界に先駆けて明らかにしていきたい」と語った。

引用元:
宇宙で子どもを作るには?…凍結受精卵や精子のフリーズドライ、ISSでマウス用いて培養成功(読売新聞オンライン)