県立中央病院産婦人科の斎藤彰治医師(49)が今秋、山形市内で分娩(ぶんべん)に対応する産婦人科クリニックの開業を目指し、準備を進めている。県内では少子化を背景に、総合病院への分娩機能集約が進んでおり、公立、民間を含めて新規開院は約20年ぶりとみられる。斎藤医師は個室を用意するとともに、充実した食事などクリニックの長所を挙げ、「出産を楽しみに迎えられる場所にしたい」と話している。
同市馬見ケ崎1丁目の食品スーパー跡地に11月、病床数15床の「さいとうバース&レディースクリニック」の開院を目指す。斎藤医師の他に非常勤の医師1人と看護師、助産師、専属シェフらを雇い、計20〜30人体制となる計画だ。3月着工予定の建物は2階建てで、延べ床面積約1300平方メートル。1階は妊婦健診や不妊治療といった外来対応に充て、2階に病室や分娩室、手術室などを整備する。昨年秋、病床整備に関する県の許可を得た。
「さいとうバース&レディースクリニック」の待合室の完成イメージ(斎藤彰治医師提供)
現在、県内で分娩を取り扱う医療機関は18施設。北村山公立病院(東根市)が2018年度、天童市民病院が19年度で取り扱いを休止するなど、14年度比で9施設減少した。県は身近なクリニックなどで健診を受け、総合病院で出産を行う「産科セミオープンシステム」を推進し、利便性向上や産婦人科医の負担軽減を図るとしている。
医師の高齢化などによるクリニックの廃業、診療科ごとの偏在は全国的な課題だ。24時間対応が必要となる産科は、スタッフの確保や整備費用などの面で開業のハードルが高く、採算が見込める大都市圏に集中する傾向にあるという。
東根市出身の斎藤医師は県内企業に就職後、医療の道を志し、富山大医学部に入った。県立中央、東北大など周産期医療の中核を担う病院で経験を積み、「地域の未来をつなぐのは子どもたち。若いカップルが子どもを産み、育てたいと思える地域づくりに貢献したい」との思いが募った。昨年1月にUターンして古里での開業を決めた。
斎藤医師は「シャワールーム付きの個室や、レストランのような食事を求める女性は少なくない」と開業の意義を強調する。「痛い、つらい、怖い」といったイメージを払拭するため、無痛分娩の採用も含めて安心して出産に臨める環境づくりに努める。「『ここで産んでよかった』『また産みたい』などと、家族にとっていい思い出となるよう支えたい」と意気込んだ。
引用元:
分娩対応に新クリニック 斎藤医師(県立中央病院)山形に秋にも、県内で20年ぶりの開院(Yahoo!ニュース)