伊豆半島南部の賀茂地域のうち、下田、南伊豆、松崎、西伊豆の4市町は20日までに、2025年度から妊婦が産婦人科に通う際の交通費や宿泊費の助成制度を設ける方針を固めた。賀茂地域内の出産分娩(ぶんべん)対応が1月に実質終了したことを背景に、それぞれ25年度当初予算案に70万〜1千万円を盛り込む。各自治体の関係者への取材で分かった。
賀茂地域では、下田市の臼井医院が1月限りで分娩対応を終えたため、多くの妊婦は伊豆の国市や伊東市の医療機関に通う必要が生じ、交通費や宿泊費などの費用がかさむことが想定される。各市町は助成により出産に関わる負担軽減を図り、子育て世代の流出を防ぐ。下田市は先行して、既に24年度の補正予算にも関係費用を盛り込んでいる。
賀茂地域から産婦人科のある病院への移動のイメージ
各市町は国の補助金なども活用し健診と分娩などにかかった費用の一部を事実上補塡(ほてん)する。西伊豆町は健診で1人当たり最大8万5600円、分娩については付き添いも含め1組当たり最大10万5400円を助成する方針。同町健康福祉課の高木典子保健師は「金銭的な不安を取り除き、妊婦には安心して出産してほしい」と話した。
東伊豆町も、妊婦向けの助成事業を実施する方針だが、元々臼井医院で出産する町民が少なく、同医院の分娩対応終了とは直接的に関係ないという。河津町は助成を実施しない方針。出産先が以前から下田市に加え、伊東市や伊豆の国市など多方面に渡ることを要因に挙げる。
賀茂地区の妊婦支援を巡っては、4月から賀茂地域の5市町が下田地区消防組合と連携し救急車で妊婦を搬送する「妊婦サポート119」を開始するなど支援が広がっている。ある自治体幹部は「出産や子育てをしづらい地域とのイメージがつくと、Uターンや移住者の獲得にも影響が出かねない。きめ細やかな支援策を打ち出していく必要がある」としている。
臼井医院は少子化による取り扱い件数の減少から分娩対応を終了した。妊婦健診は引き続き受け入れ、分娩については伊豆の国市や伊東市の医療機関に引き継ぐ形を取るという。
引用元:
分娩対応終了でも「安心して出産を」 妊婦の遠方通院 賀茂4市町が交通・宿泊費助成(Yahoo!ニュース)