ABCクリニック新妻産婦人科(福島市)は、日本トップレベルの治療実績を持つ浅田レディース品川クリニック(東京都港区)と連携した診療を今年度から始めた。高度な不妊治療が受けられる機会を提供するためで、1月に入り、連携後では初めて患者の妊娠に結びついた。

不妊治療の連携について説明する新妻理事(左)と浅田理事長(福島市で)
 不妊治療は大きく分けて、タイミング法、人工授精、体外受精の三つのステップがある。新妻産婦人科では、超音波検査などで排卵日を予測して妊娠しやすい日に性交渉を行うタイミング法による診療を行うのが精いっぱいだったという。


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 体外受精の一種で、顕微鏡で見ながら針を使って精子を卵子に注入する「顕微授精」など生殖補助医療に臨むには、通例では10回程度通院することになる。新妻産婦人科によると、生殖補助医療ができる県内の医療機関は七つあるが、専門人材の不足で予約は3か月待ちなどの状況にある。東京都内や仙台市に足を運ぶ場合が多く、患者の負担が大きい状況だ。

 不妊治療専門の浅田レディースは、顕微授精を年間約8000件行っており、受精率は80%以上。両クリニックの連携によって、患者が品川に通うのは、受精卵を培養器で成長させて胚にしてから子宮に戻す「胚移植」などの3回に抑えられ、それ以外は県内の新妻産婦人科で済ますことができる。患者情報をオンラインでやり取りするため医師の負担も減る。

 郡山市の30歳代女性は、昨秋に新妻産婦人科を受診し、タイミング法で授かることができなかったため、品川クリニックに通院。顕微授精を行い、今年に入って妊娠していることが確認された。

 新妻産婦人科医師の新妻雄介理事(32)によると、同婦人科には年間約3000人が不妊の相談に訪れる。妊娠に至らず自信を失っていく患者を診ることがつらかったが、生殖補助医療を提供できるようになったことで前向きに治療に臨む患者が増えたという。

 新妻理事は「受精の成功率は高く、今回の連携は患者にとってもメリットがある。医療格差をなくしていきたい」と話す。浅田義正理事長(70)は「子どもの数が少なくなっていて、危機感がある。連携する医療機関を増やしていきたい」と語った。

引用元:
福島市の産婦人科、不妊治療で都内の医院と連携…高度な治療機会を提供「医療格差なくしたい」(読売新聞オンライン)