東京・杉並区のクリニックでは、今月に入り幼児など20人がリンゴ病の症状を訴えて診察に訪れています。
リンゴ病と診断を受けた4歳の女の子は、両ほおが赤く染まり、腕も網状に赤くなっていました。
42歳の母親は「数日前からほっぺが赤く腫れてきて、熱が37度くらいまで上がってきました。初めてかかったのと、はやっていると聞いたのでなおさら心配でした」と話していました。
リンゴ病に感染すると子どもは微熱が出る程度ですが、妊娠初期の女性では流産や死産のおそれがあります。
子どものころに一度感染すれば免疫ができますが、女の子を診察した「たむら医院」の田村剛院長によりますとここ数年はコロナ禍の行動制限で子どもたちがウイルスに触れる機会が少なく、今、感染が拡大しているとみられるということです。
このクリニックでのリンゴ病の患者の数は先月に比べて2倍以上に増えているということで、田村院長は「リンゴ病はワクチンもなく潜伏期間も長いため、感染拡大を止めるのが難しい。やれることは限られるので、きょうだいがいる家庭では食器や食事の共用を避け、手を洗って感染しないようにしてほしい」と話しています。
一方、ことしはマイコプラズマ肺炎の患者が例年より多く、今後、インフルエンザや新型コロナウイルスなど、ほかの感染症の流行が本格化するシーズンを迎えます。
田村院長は「マスクを着用し小まめに手を洗うことが重要です。冬になって寒くなり部屋の空気を入れ替えるのも難しいかもしれませんが、できる限り換気もしてほしい」と話し、基本的な感染対策の徹底を呼びかけていました。

【都内の患者数は2週連続で警報基準超える】
かぜに似た症状が出て、ほおなどに発疹ができる「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」の都内の患者数は2週連続で警報基準を超えていて都は対策の徹底を呼びかけています。
「伝染性紅斑」いわゆるリンゴ病はウイルス性の感染症で、多くの患者は発熱などかぜに似た症状とほおなどに赤い発疹が出て子どもを中心に流行し、妊婦が感染すると流産になることもあります。
都内では先週、6年前の2018年12月以来、患者数が警報の基準を超えました。
都によりますと、今月24日までの1週間に都内264の医療機関から報告された患者数は438人で、前の週よりおよそ70人減少したものの、患者数は先週に続いて、警報の基準を超えているということです。
都の担当者は「祝日があったため休診した医療機関もあり数は減少したものの、ピークアウトしたとは言えない」としています。
患者の7割以上は6歳以下の子どもで、都は、子どものいる家庭や保育所、幼稚園などに対し石けんを使ったこまめな手洗いや、せきエチケットなど感染対策の徹底を呼びかけています。

【りんご病 首都圏を中心に急増】
国立感染症研究所によりますと、「伝染性紅斑」いわゆるリンゴ病は今月に入り患者が急増しています。
全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された今月11日からの直近の1週間の1医療機関あたりの平均は0.56人です。
前の週のおよそ1.5倍となっていて、全国的に感染が相次いでいた2020年1月以来の水準です。
都道府県別の1医療機関あたりの患者数は、東京都が1.93人と最も多く埼玉県が1.92人、神奈川県が1.44人、千葉県が1.29人、青森県が1.14人などと首都圏や東北地方を中心に感染者が増えています。
また、関東地方の1都6県の1医療機関あたりの患者数は、東京都が1.93人、埼玉県が1.92人、神奈川県が1.44人、千葉県が1.29人、栃木県が0.63人、群馬県と茨城県が0.23人となっています。

【専門家“約4年ぶりに流行の兆し全国的に広がる可能性】
首都圏を中心にリンゴ病の患者が増えていることについて、感染症対策に詳しい長崎大学病院小児科の森内浩幸教授は「およそ4年ぶりに流行の兆しを見せている。前回の流行のピークにはまだ達していないので、今後さらに全国的に感染が広がっていく可能性はある」と述べました。
その上で、「リンゴ病の患者が周囲にウイルスを広げる時期は、ほおが赤くなりリンゴ病だと分かる前なので、予防には日頃から手洗いを徹底し、人が集まる場所ではマスクを着用することが重要だ。特に妊婦が感染すると、胎内で重度の貧血を起こし、流産や死産につながるおそれがある。このあと、インフルエンザの感染が広がる時期でもあるので、基本的な感染対策を徹底してほしい」と注意を呼びかけていました。

引用元:
リンゴ病 首都圏中心に急増 “特に妊婦は感染対策徹底を”(NHK)