若いうちから将来の妊娠や出産などのライフプランを意識し、男女ともに自身の健康に向き合ってほしい―――。

こども家庭庁は、妊娠前からの健康管理を意味する「プレコンセプションケア(プレコン)」の普及啓発を進めるため、専門家などによる初めての検討会を開きました。

妊娠・出産めぐるリスク軽減へ
こども家庭庁によりますと、過度なダイエットによる若い女性の「やせ」や低栄養、高齢出産の増加で、リスクの高い妊娠や出産が増えているということです。

こうしたリスクを軽減するため、若い世代がもっと早い段階から、正しい知識や適切な健康管理を実践する「プレコン」の普及が大切だとしています。

国は産婦人科の医師らと連携し、若者向けに妊娠に関する正しい知識や相談窓口を紹介するサイトを開設しているほか、すべての都道府県では相談支援体制が整備されています。

こども家庭庁は
▼相談窓口の情報や健康管理に関する相談支援のあり方
▼自治体・教育機関などで普及啓発を進めるアドバイザーの養成
などについて検討するため、医師や自治体の担当者などをメンバーとする初めての検討会を28日開きました。

検討会では、20代の大学院生の女性が「妊娠、出産について具体的な準備や対策の方法が知りたいが、男性と女性で意識に差があると感じるので、男女問わず関心を高めたり、身近に感じたりする施策が必要だ」などと意見を出していました。

こども家庭庁は、来年春には今後5年間に行う施策の方針をとりまとめることにしています。

「やせ」の問題と「高齢出産」の増加
リスクのある妊娠の増加には、若い女性の「やせ」の問題が指摘されています。

厚生労働省が去年行った「国民健康・栄養調査」では「やせ(BMI18.5未満)」の状態にある女性は、20代から30代で20.2%と高い水準になっています。

若い女性のやせは貧血や骨密度や筋力の低下などを引き起こすほか、月経不順や不妊、低出生体重児の原因になるなど、将来の妊娠や出産に影響するとされています。

また、35歳以上で第1子を出産する「高齢出産」の割合も増加しています。

2000年には全体の6.4%でしたが、2005年には1割を超え、去年は21.6%を占めています。

高齢での妊娠・出産は妊娠高血圧症候群をはじめ、妊娠糖尿病などの合併症や流産のリスクが高まると指摘されています。

専門外来設けた都内の病院では
国立成育医療研究センター
東京・世田谷区の国立成育医療研究センターでは、妊娠前の若い世代に食事や生活習慣について考えてもらおうと、10年ほど前からプレコンセプションケア専門の外来を設置していて、妊娠や出産を考えている女性やカップルなどが訪れているということです。

外来では
▽一般の健康診断の項目
▽食事の内容や時間帯
▽出生時の週数や体重
などを確認。
その上で管理栄養士が食生活をアドバイスするほか、持病のある女性には専門医と連携して、症状の改善方法や常用する薬の指導などをしています。

また、男性の健康状態も重要だとして、カップルでの診察も行っているということです。

国立成育医療研究センター・プレコンセプションケアセンター 三戸麻子医師
「いまは妊娠や出産を考えない人でも、将来赤ちゃんがほしくなることもあると思うので、自分の体や生活習慣を知って健康でいることは自分の可能性を最大限に引き出す土台になる」
「妊娠出産というと女性というイメージが強いとは思うが、男性の健康が関係することが分かってきているので、男性のプレコンセプションケアもとても大事だ」

引用元:
妊娠前の若いうちから健康づくりを” 普及啓発へ 初の検討会(NHK)