体外受精などの不妊治療を行っても妊娠しない重い不妊症の人は、歯周病菌などが受精卵が着床する子宮内膜に悪影響を与えていることを札幌市の手稲渓仁会病院などの研究グループが発表しました。
グループは、「歯周病菌などが不妊症につながっていることがわかり、新しい不妊治療の確立につなげたい」としています。

研究を行ったのは、札幌市にある手稲渓仁会病院不育症センターの山田秀人センター長などのグループです。
グループは、体外受精を行っても2回以上着床しなかった重い不妊症の29歳から45歳の患者43人の子宮内膜から細菌を採取して、その種類や割合を調べました。
その結果、子宮内膜症を併発している患者は、併発していない患者よりも検出された細菌の種類が多いことがわかりました。
特に、歯周病を引き起こす「ディアリスター菌」の検出された患者はおよそ11倍、さまざまな感染症を引き起こす原因となるレンサ球菌はおよそ3.6倍だったこともわかりました。
研究グループでは、受精卵が着床する子宮内膜が歯周病菌などによって炎症を引き起し、重い不妊症につながっているとしています。
山田センター長は、「今回の研究で、不妊症に歯周病菌などが影響していることが初めて分かった。子宮内の細菌のバランスを整えるなど、新たな不妊治療の確立につなげたい」と話しています。

【不妊症とは】
日本産科婦人科学会では、不妊症は1年以上にわたって定期的な性交渉を続けていても妊娠に至らない場合と定義づけています。
不妊の原因は、検査をしても分からないケースも多く、治療内容や期間などは患者によって大きく異なり、費用や仕事との両立など大きな課題となっています。
厚生労働省によりますと、不妊治療や不妊の検査を受けたことがある夫婦は2021年の調査では22.7%で、およそ4.4組に1組と年々増加しています。

引用元:
重い不妊症 歯周病菌など影響か 手稲渓仁会病院など発表(NHK)