妊娠すると足が大きくなり、出産後も元に戻らなくなることがある。なかには、靴のサイズが0.5〜1センチ変わってしまう人もいる。変わるのは大きさだけではない。多くの女性は、妊娠中に足のひどいむくみや歩行の変化、扁平足(へんぺいそく)などを経験する。この問題は今まで見過ごされがちだったが、もっと真剣にとらえるべきだと、一部の科学者たちは警告している。

「妊娠も一時的な状態だから、出産すれば(足も)元に戻るはずだと軽く考える医師がいます」と、米アイオワ大学の整形外科・リハビリテーション学准教授であるニール・シーガル氏は言う。しかし、そうではない女性も多くいることは、これまでの研究で示されている。

 そこで、妊娠がどのように足に影響を及ぼすのかについて現在わかっていることと、対処法についてまとめてみた。(参考記事:「妊娠中に脳が激しく変化し続けると判明、元に戻らない部分も」)


むくみ
 健康な妊娠であっても、特に妊娠後期に足のむくみを経験する女性は多い。胎児を支えるために母体が多くの血液を作るようになり、体液の量が増加するためだ。また、大きくなった子宮も足の血管に負担をかける。

「たまった体液は通常、重力のせいで足のほうへ下がってしまいます」と話すのは、足と足首専門の外科医で、米靴メーカー、ケインフットウエアの最高医療責任者を務めるダン・ゲラー氏だ。

「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎは、血液を上方に押し上げるポンプの働きをするが、液体がふくらはぎの血管から漏れ出すと、圧痕性浮腫(あっこんせいふしゅ、指の先で押すとくぼみが残るむくみ)が起こる場合がある。

 妊娠中はよくあることとはいえ、むくみは血栓や感染症などの危険な病気の症状である場合もあると、米不妊治療クリニック、カインドボディの婦人科医ジャスミン・ペドロソ氏は指摘する。そして、むくみが体のどちらかに偏りすぎている場合や、赤みが強い、熱を帯びている、または触ると痛みがある場合には医師に相談するよう勧めている。

重心が変わり扁平足になりやすい
 妊娠中は体の重心が変わるため、歩き方も変化する。

 通常は、歩くときに体重がかかとから足の親指の付け根に移動する。しかし、妊娠中にお腹が大きくなり、おへそが徐々に体幹から離れていくと、前に倒れそうな感覚になる。(参考記事:「妊娠と出産 進む技術革新」)

引用元:
妊娠中に足が大きく変化、元に戻らない場合も、何が起きている?(NATIONAL GEOGRAPHIC)