熊本市の慈恵病院が設置した国内初の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」は開設18年目を迎えたが、親が身元を明かさずに預け入れできる「匿名性」を巡り、病院側と有識者の間で見解が分かれている。赤ちゃんの命を救う可能性を高めるとみられる半面、後に本人が出自を知ることを難しくする匿名性。開設時に0歳だった子が成人となる歳月を重ねるなか、「命と出自」の議論に出口はあるのか。

 2024年初夏のある日。病院裏手のゆりかごの扉の前に、赤ちゃんを抱いた若い女性が立っていた。「自分では育てられない」。女性は匿名での預け入れを望んでいた。扉を開け、赤ちゃんを置けばいい。だが踏み切れない。事前にインターネットで見たゆりかごに関する情報で「匿名はやめてほしい」といったことが書かれているのを気にしたからだ。



引用元:
赤ちゃんポスト18年目 親の「匿名性」なお見解二分 命を救う/出自の把握困難(毎日新聞)