研究者自ら脳をスキャン、妊娠前から出産2年後まで、認知能力などへの影響は不明
2024.10.02




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妊娠前から出産の2年後まで26回にわたり脳をスキャンした最新の研究結果は、妊娠が人間の脳が妊娠でどのように変化するかを理解するために役立てられる。(PHOTOGRAPH BY GREG801, GETTY IMAGES)
妊娠前から出産の2年後まで26回にわたり脳をスキャンした最新の研究結果は、妊娠が人間の脳が妊娠でどのように変化するかを理解するために役立てられる。(PHOTOGRAPH BY GREG801, GETTY IMAGES)
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 気分や記憶など脳の機能に大きく影響する性ホルモンは、妊娠中に分泌量が劇的に変化する。ところが、妊娠中の脳に何が起こるのかはほとんど研究されていない。しかし、1人の女性の脳を妊娠前から妊娠中、出産後までの計26回にわたってスキャンした結果を示した論文が9月16日付で学術誌「Nature Neuroscience」に発表され、それまで未知の領域だった妊婦の脳について知る手がかりを与えてくれている。

 性ホルモンが脳に与える影響に魅了された米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の神経科学者で、論文著者のエミリー・ジェイコブス氏は、月経周期に伴って女性の脳内で起こっている変化を記録するために、数年前に研究チームとともに「28・アンド・ミー」というプロジェクトを立ち上げた。(参考記事:「女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明」)

 すると、氏の研究室と交流がある米カリフォルニア大学アーバイン校の神経科学者であるリズ・クラスティル氏が、研究対象を広げて妊娠中の脳も研究してみないかと提案した。妊娠中もまた、ホルモンが劇的に変化する時期だが、妊婦の被験者にはあらゆる安全上の要件が求められるため、脳の研究は難しく、ほぼ不可能に近かった。


「リズは、『私も研究対象にしてみたらどうですか。私、子どもを産むつもりなので』と言ってきたんです」と、米ペンシルベニア大学の神経科学者で論文の筆頭著者を務めたローラ・プリチェット氏は振り返る。

 妊娠期間中に脳の構造やホルモン値がどう変化するかを研究チームが詳しく解明できるように、クラスティル氏は自ら進んで何度も繰り返し脳スキャンを受けた。

灰白質と白質の変化
 妊娠前と後の脳の画像を比べて分析した過去の研究では、妊娠によって脳の表層にある「灰白質(かいはくしつ)」と呼ばれる部分が縮むことが示されていた。灰白質は、認知、感覚、学習など、脳が果たす重要な役割の大部分を担っている。

「マミーブレイン」という言葉があるように、妊娠中は脳にもやがかかったような状態になった、あるいは忘れっぽくなったと感じる人も多いが、これは妊娠に適応した変化である可能性が高い。

引用元:
妊娠中に脳が激しく変化し続けると判明、元に戻らない部分も(NATIONAL GEOGRAPHICS)