出産できる医療機関がない埼玉県桶川市は、市内で産婦人科を開業する医師や医療法人を対象に、上限1億円で開業経費の一部を補助することを決め、7月から募集を始めた。だが、現在まで応募や問い合わせはゼロで、市は締め切りの9月末まで関係各所に働きかけながら募集を続ける。
 補助額は施設整備費の2分の1(上限1億円)で、土地建物の取得費や本体工事費のほか、医療機器や備品の購入費などが対象となる。申請条件として分娩(ぶんべん)のできる入院施設(19床以下)がある産婦人科医院を市内に開き、10年以上継続することや臨床経験5年以上の医師を置くこと、補助金の交付決定から2年以内に業務を開始することなどを求めている。
 市によると、市内では10年ほど前から分娩施設がなく、5年ほど前から妊婦健診を行う医院もなくなった。昨年の出生数は377人だったが、隣接する上尾、北本、鴻巣市の医院で出産する人が多いという。
 このため市は、出産を希望する市民が地元で安心して子どもを産み育てる環境を整備するため、県内の他の自治体よりも高い上限額の補助を決めた。ただ、地元の医師会などを通じて広く募集を呼びかけているものの、応募には至っていないのが現状だ。
 市の担当者は「引き続き周知を図りながら、(応募者などを)探していきたい」と話している。(藤原哲也)

引用元:
7月開始も応募ゼロ 桶川市の産婦人科開業支援(東京新聞)