台風が接近…身を守るためにどんな備えをしていますか。台風10号では九州では風が非常に強く吹き大分県と宮崎県、鹿児島県で線状降水帯が発生するなど大雨となっています。また関東などでも「遠隔豪雨」と呼ばれる大雨のおそれがあると指摘されています。災害時の避難や停電への備えのほか、小さな子どもがいる家庭の対応についてまとめました。
赤ちゃんや小さな子ども 備えが重要
神奈川県立保健福祉大学大学院の吉田穂波教授は、赤ちゃんや小さな子どもを連れた人に配慮した避難所は少ないため、事前の備えが重要だと指摘していて「水や電気が使えなくなって在宅避難する場合や避難所に行く場合など先の先まで考えて備えてほしい」と呼びかけています。
先の先まで想定を
Q.小さな子どもがいる家庭で、台風の接近前に意識すべきことは。
赤ちゃんや小さな子どもはなかなか我慢ができないということもあるし、「おなかがすいた」とか「つまらない」とかを耐えることは難しいので、親御さんは不安だと思います。このため、今のうちから在宅避難で済むような場合のほか、ライフラインが途絶えて避難所に行く場合も考えられるので、先手を打って先の先まで備えておくことが必要です。
離乳食や使い捨ての哺乳瓶活用も
Q.具体的にはどのような備えが必要。
〇特に水は多めに
在宅避難で、水や電気、ガスなどのライフラインが多少途絶えたとしても、暮らせるような状態にするにはどうしたらいいのかを想定して準備するといいです。これまでの災害では水やオムツの不足というのがよく言われていたので、特に水は多めに準備したほうがいいです。
〇断水を想定する
また水が出ない場合に備えて、赤ちゃんの肌を清潔に保てるようにお尻ふきやウェットティッシュなどは多めに準備しておくといいと思います。
それと、調理せずに食べられる離乳食や消毒しなくても使える使い捨ての哺乳瓶などを3日分を目安に用意してほしいです。
〇食べ物は多め
赤ちゃんは特に我慢ができないので、食べ物は多めに用意するといいです。あと、避難所など慣れない場所にいくと赤ちゃんや小さい子どもはすごく不安を感じるので、いつも使っているおもちゃや毛布など、ちょっとホッとできるものを持って行くといいと思います。
母子手帳のコピーやかかりつけ医の連絡先などを紙で準備
Q.妊産婦や小さな子と避難する際に特に大切なことは。
〇母子健康手帳の情報
赤ちゃんの健康を守るうえでは、母子健康手帳に載っている情報がすごく大事です。特に出生体重や妊娠経過、予防接種で何を受けているか、それと子どものアレルギー情報なども写真に撮って保管しておくとともに、紙に書き出したり、印刷したりしておくといいです。
いざという時は、親御さんも頭が真っ白になりますので、医師や避難所の運営者にこれらを見せるだけで説明ができます。
〇かかりつけ医の連絡先
それと赤ちゃんの調子が悪くなったときにすぐに連絡できるよう、ふだんから診てもらっているかかりつけ医の連絡先なども書き出して手元に置いておくといいと思います。
頼り合うコミュニケーションを
Q.小さな子どもいると親も不安多いが、心構えで大切なことは。
〇周りの人と乗り切る考え方
大事なお子さんだからこそ、親の自分たちが守らなければいけないという気持ちになるのは当たり前だと思います。ただ、自分たちの家族だけで乗り切ろうと思うのではなく、周りの人たちと情報共有しながら、励ましあいながら乗り切るというふうに考えるといいです。
同じような家庭どうしで情報共有して「こちらにはこんなものがたくさんありますよ」と、お互いの備蓄状態を共有するなどすると心強くなる面もあります。
〇声をかけやすい関係性を
できるだけ早めに近所の方やほかの家族とやりとりして、お互いに頼り、頼られるというコミュニケーションを今から始めておくと、不安も軽減されるのではと思います。台風がどういう進路になるか分からないし、地域や建物によって被害の状況も違うかもしれないですが、「台風が接近中」という災害に備える状態というのは共通しているので、お互いに声をかけやすいような関係性を築いておくことが大切です。
ハザードマップでリスク確認
台風が接近する前に「ハザードマップ」で自宅や職場のリスクを確認してください。念のため印刷して持っておきましょう。どんな避難が必要なのか確認し、今のうちに避難先の候補を複数決めておきましょう。避難ルートのリスクも確認してください。
ハザードマップでリスクが示されていなくても、安全だとは限りません。自宅や職場が▽河川の堤防より低い場所にあったり▽坂を下った場所など周辺より低いところにあったりする場合は、浸水リスクがあると考えて行動してください。
また、▽国土交通省の「重ねるハザードマップ」や▽NHKの「全国ハザードマップ」も活用してください。
停電への備え
今回の台風は動きが遅く、影響が長引くおそれがあります。台風が接近する前に、停電への備えも進めてください。
〇懐中電灯が使えるか確認
懐中電灯やランタンをすぐ使える場所に出しておきましょう。点灯するかどうか確認し、電池式の場合は、予備の電池も用意しておきましょう。
〇スマホを充電
スマートフォンは、避難情報を確認したり、救助を求めたりする上で欠かせません。今のうちにフル充電しておいてください。モバイルバッテリーなども充電しておきましょう。
〇手元に現金
停電すると、電子マネーなどが使えなくなることもあります。ふだん、電子マネーやクレジットカードを使う機会が多い人は、手元に現金を用意しておくことも必要です。
避難するときの注意点
避難中に災害に巻き込まれるケースはあとを絶ちません。行動を始める前に周囲の様子をよく確認し、すでに道路が冠水しているような場合は、外を移動して避難するのはかえって危険です。冠水する前の、早めの避難が何よりも大切です。
土砂災害から命を守るポイント
土砂災害は発生してからでは逃げられません。情報を活用して、危険な場所から早めに離れることが最も大切です。土砂災害の危険性が非常に高まると、気象台と都道府県が共同で「土砂災害警戒情報」を発表します。▽エリアメールや▽アプリのプッシュ通知、▽テレビのテロップなどを見逃さないようにしてください。
洪水から命を守るポイント
近くの川の特徴をおさえて、避難するタイミングをしっかり決めておくことが大切です。川の様子を見に行くのは、危険なので絶対にやめてください。川の状況は、▽気象庁のホームページにある「キキクル(危険度分布)」、▽国土交通省のサイト「川の防災情報」、▽NHKのニュース防災アプリなどで確認することができます。
引用元:
台風10号2024年 家庭の備え 避難 停電 断水 赤ちゃんや子どもがいる場合は?(NHK首都圏ナビ)