病気で現場を離れざるを得なかった助産師の女性が、フォトスタジオをオープンさせました。
自身の経験を子どもの撮影に生かしたいと夫と再スタートを切りました。
【助産師の経験を生かしたい】
フォトスタジオ外観
百日祝いの撮影
中標津町にことし3月オープンした、子ども向けのフォトスタジオです。
この日は百日祝いの撮影が行われていました。
撮影を手掛けるのは中標津出身の一色さん夫妻です。夫の亮さんがカメラを、助産師の資格を持つ美奈さんが赤ちゃんの対応やセッティングを担当しています。
子どもをあやす美奈さん
人と関わる仕事をしたいと美奈さんは26歳で助産師の仕事に就き、地元・中標津の病院で働いていました。しかし2年前、リューマチを発症。全身の関節が腫れて思い通りに動けなかったり、寝込んでしまったりと症状が悪化していく中、命を預かる現場に立ち続ける自信を失い、去年、退職しました。
一色 美奈さん
なりたくてなった職業でしたし、やりがいを感じていた職業だったので、今は離れた方が良い時期かもしれないと考えましたが、その決心もなかなかつかなくて。でもどんどん症状が辛くなっていきました。
病気と付き合いながら助産師の経験を生かせないかと考える中、美奈さんを次のステップへと導いたのは、現在6歳と4歳の息子たちの写真でした。中でもフォトスタジオで撮影してもらったものは特別だったといいます。
一色 美奈さん
温かい雰囲気の中で写真を撮ってもらえたことが、私の初めての育児のすごく糧になって。他のお母さん方の育児の糧になるような写真とかっていうのを広めていけたら。
(左) 一色 亮さん
一色 亮さん
奥さんがやりたいことを優先して協力していきたいなという気持ちだけで、そこに仕事辞めるという抵抗はそこまでなくて。
【新生児の“ニューボーンフォト”で今しか撮れない写真を】
一色さんのフォトスタジオには大きな特徴があります。それは生まれたばかりの赤ちゃんに対応していること。この日は、里帰り出産で帰省していた夫婦が生後11日の新生児を連れてきました。
お世話する美奈さん
美奈さんの助産師としてのキャリアが生きる時です。赤ちゃんの様子を確認しながらミルクを与えたり寝かしつけたりして、手際よく着替えや撮影の準備を進めます。こうした行動はなるべく両親が見える場所で行い、不安にさせないよう心掛けています。
新生児の記念写真は「ニューボーンフォト」と呼ばれ、この時期ならではのかわいらしさや、どこか神秘的な姿を残せるとして人気が高まっていますが、対応しているスタジオは少ないといいます。美奈さんに助産師の経験があるからこそ、赤ちゃんや産後間もないお母さんにもきめ細かに接することができます。この日は1時間半ほどで200枚あまり撮影しました。
新生児を連れてきたご夫婦
頑張ればスマホとかで撮ろうと思えば撮れるんですけど、やっぱり生まれてすぐで大変。
今しか撮れなし、今しかできないからね。
一色 美奈さん
お客様の中でもここに来たことが思い出になったかなって思えるようなフォトスタジオにできたらいいなと思っています。
取材後記
『ニューボーンフォト』 恥ずかしながら取材するまで知りませんでしたが、撮影された写真はどれも本当にかわいらしく「うちの子どもの時代にもあったらなあ」とうらやましくなりました。一色さんのフォトスタジオの利用者の中には、美奈さんが助産師として出産に立ち会った赤ちゃんが成長し、入園など記念写真を撮影しに来たこともあったそうです。誰もがスマートフォンで気軽に写真を撮影できる今だからこそ、スタジオでのコミュニケーションや記念写真が家族にとって特別なものになるのかもしれません。
(中標津支局 原田未央)
引用元:
〈中標津町〉助産師がフォトスタジオ(NHK北海道WEB)