TP53 Y220C変異を有する進行卵巣癌にp53再活性化薬であるrezatapopt(PC145861)が有望である可能性が明らかとなった。数多くの治療を受けた固形癌を対象に行われたフェーズ1/2のPYNNACLE試験(NCT04585750)のフェーズ1部分に参加した卵巣癌患者で有望な抗腫瘍効果と安全性が認められた。3月16日から18日までサンディエゴで開催された米国婦人科腫瘍学会(The Society of Gynecologic Oncology、SGO)Annual Meeting on Women’s Cancer(SGO 2024)で、米Memorial Sloan Ketteing Cancer CenterのAlison Schram氏が発表した。
Rezatapoptは、p53 Y220C変異蛋白に選択的に結合し野生型の活性を回復させる薬剤。卵巣癌の70%、高異型度漿液性卵巣癌(HGSOC)の96%超でTP53変異があるとされている。TP53 Y200C変異は卵巣癌のTP53変異の中で最も多いとされ、2.9%に発現しているという。
PYNNACLE試験は、12歳以上の局所進行または転移を有する固形癌で、各施設におけるNGSでTP53 Y220C変異が確認された患者を対象とし、フェーズ1部分でrezatapoptの用量を漸増させて投与した。有効性が期待される用量である1日1回1150mgから1日2回1500mgまでの5段階で、2023年9月5日までに67人が登録され、このうち22人が卵巣癌患者だった。卵巣癌患者はRECISTv1.1に基づく研究グループの評価による予備的な奏効率と、4週の間のCA-125の50%超の減少を指標としたCA-125効果が解析された。
卵巣癌患者22人の患者背景は、年齢中央値が66歳(範囲:49-81)、白色人種が15人(68%)、PS 1が16人(73%)、全身治療歴数中央値が3(範囲:1-9)で、3以上が14人(64%)だった。白金系抗癌薬抵抗性が19人(86%)、HGSOCが20人(91%)、生殖細胞系列にTP53 Y220C変異があった患者はいなかった。KRAS遺伝子は全員野生型だった。
試験の結果、測定可能病変があった20人のうち、抗腫瘍効果の評価が可能だった15人中7人で奏効が認められ、奏効率は47%。全員が部分奏効(PR)だった。また、病勢安定(SD)は7人だった。15人中13人で腫瘍が縮小した。またベースラインでCA-125が測定可能だった15人のうち、画像学的なPRとなった5人とSDとなった1人の計6人でCA-125効果が認められた。
奏効が認められた7人のうち4人(1人は増悪後も投与中)で投薬が継続されており、奏効期間中央値は7カ月だった。
安全性については、固形癌患者67人の結果が報告された。60人(89.6%)で治療関連副作用が発現したが、多くはグレード1と2で、グレード3は16人(23.9%)、グレード4は1人(1.5%)に起きた。多く認められた副作用は、吐き気(全グレードで50.7%)、嘔吐(43.3%)、血中クレアチニン値上昇(26.9%)だった。食事と共に服用することで胃腸毒性は改善が認められた。治療関連副作用で投薬中止となったのは3%だった。卵巣癌患者における安全性プロファイルは、全固形癌患者のものと同等だった。
現在、TP53 Y220C変異がありKRAS遺伝子野生型の進行固形癌を対象に、rezatapopt単剤を評価するフェーズ2試験が行われている。
引用元:
早期子宮頸癌に対する非根治手術後の身体機能は6カ月程度で回復しQOLも改善(日経メディカル)