特に6歳までの子どもは五感が目覚ましく発達していく時期。乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」を主宰する伊藤美佳さんは、さまざまな経験を通じて子どもの能力を伸ばすためには、親が過度なストップをかけず、なるべくのびのびと行動させてあげることが大事だと言います。子どもの能力を引き出し、伸ばすために親がするべきこと、しない方がいいことについてうかがいました。
※本稿は伊藤美佳著『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです
人生のベースとなる能力は6歳までに身につく
6歳までの時期にたくさんの刺激を与え、多くの体験をすることによって、さまざまな能力が伸びていきます。
たとえば運動の能力。赤ちゃんは手足をバタつかせたり、手指を動かしたりして、誕生した瞬間から運動を学んでいきます。なかでも手指は第二の脳と言われている通り、手指をたくさん使うほど、脳を刺激してネットワークが広がり、さまざまな分野の能力を発揮していきます。
またこの時期は、五感が目覚ましく発達していく時期。五感をたくさん刺激することで、感受性が豊かで、表現力のある大人へと成長します。
さらに積極的に話しかけることで言語能力も発達していきます。それ以外にも論理的思考、空間認知力、コミュニケーション力など、これからの人生を生きていくうえでベースとなる能力は、すべてこの時期に身につくのです。
なるべくストップをかけずにさまざまな経験をさせる
今は「安全第一」に考えるママやパパが増えていて、子どもの行動になんでも「ストップ」をかけてしまいがちです。もちろん、心配はよくわかります。本当に危険なことはNGですが、親の目が届く安全な環境の中で、子どもにさまざまな経験をさせてあげることは、能力を伸ばすうえでとても大切なのです。
0〜6歳までの、その能力が伸びる時期にその機会を奪ってしまうと、能力を伸ばす時期を逃してしまいます。
もう一方で大切なのは、成長のスピードを気にしすぎないこと。成長のスピードには個人差があります。ゆっくりした成長だったものがグンとあと伸びして、華々しい活躍をする子もいます。ほかの子と比べたりあせったりしないで、その子の発達や成長に合わせて、たくさんの経験をさせてあげましょう。
「できた!」の積み重ねが、子どもの自信につながります。
【こんなときどうすればいい?】
ウチの子は、できないことがあるとすぐに癇癪を起こして泣き、やめてしまいます。私も仕方なく、つい手を出して、代わりにやってしまいます。どうしたら忍耐強くなってくれますか?
(りゅう、2歳4カ月の子のママ)
【Answer】
子どもは「自分でできるようになりたい」と思っています。だから、できないことが悲しいのですね。どこがつまずいてできていないのかを探しましょう。ちょっとしたところでつまずいてできないことが多いので、そこだけどうすればよいのかを教えてあげましょう。
「どうしたらうまくいくようになるのか」をサポートしていくと、「問題解決ができる子」になりますよ。
能力が伸びるのは子どもが遊びに集中しているとき
「子どもの能力を伸ばす」ことの大切さを説明してきましたが、「どんなときに子どもの能力が伸びているの?」「能力が伸びているかどうか、親にわかるの?」という声が聞こえてきそうですね。実は、子どもが今まさにグングン吸収し、能力を伸ばすための土台を作っていることがわかるポイントがあります。
それは「遊びに没頭し、集中している」とき。具体的な例で説明しましょう。私のスクールでは、その子にとって適切な時期に、適切な道具を使って遊ばせますが、子どもが遊びに夢中になっているときは、表情ですぐにわかります。唇をとがらせ、なかには夢中になって口が開いてしまい、思わずよだれが出ても気づかない子もいます。
何をするにも落ち着きのない、すぐに癇癪を起こしていたような子どもも、唇をとがらせ、夢中で黙々と1つのことに繰り返し取り組んでいる姿も見られます。乳幼児期からこうした経験をしておくと、集中力がつくようになります。
子どもが集中しているときに邪魔をしない
子どもが一心不乱で集中している状態のとき、どうしてもかまいたくなってしまう親もいるようです。集中しているときに話しかけてしまうと、子どもの集中力は「プツン」と切れてしまいます。
子どもは言葉にこそ出さないかもしれませんが、「なんで今話しかけるの?」「あ〜あ、せっかく集中していたのに、スイッチが切れちゃった」という状態のはずでしょう。
夢中になってやっていたのに、急に現実に戻されてしまったような感じになるのです。一度切れてしまったスイッチをもう一度入れるのは難しいもの。
ママは、「同じことばかりして飽きないのかしら?」「もっといろいろな遊びを経験したほうがいいのでは?」と心配になるかもしれませんが、子どもの気が済むまで、思う存分やらせてあげましょう。
【こんなときどうすればいい?】
妹が兄の遊んでいるおもちゃをいつも奪ってしまいます。その都度「貸して」とは聞くのですが、何回も邪魔をされて、兄のほうもそのうち怒ってしまいます......。どちらの気持ちもわかるので、悩んでいます。
(たっくんとマナ、4歳& 2歳8カ月の子のママ)
【Answer】
お兄ちゃんの遊んでいるおもちゃは、妹にとってとても魅力的。遊び方を展開してくれているからです。また、自分で思うように遊びたいお兄ちゃんの気持ちも大切にしてあげたいので、ここはママが気持ちを代弁してあげましょう。
そして、邪魔されたくないところと譲れるところはどこなのかを一緒に考え、解決策をできるだけ子どもたちに考えさせながら気持ちを理解してあげることに徹しましょう。
伊藤美佳(乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」主宰)
引用元:
集中力のある子に育つために「6歳までに経験すべきこと」(Yahoo!ニュース)