子どもに多い原因不明の血管炎「川崎病」は、腸内に生息する多様な細菌群の構成バランスの乱れが発症リスクになり得ると、関西医科大の研究チームが発表した。子どもに食物繊維を与えるなどして、炎症を抑える菌の仲間を増やせば予防につながる可能性もあるという。論文が国際学術誌に掲載された。
川崎病は、小児科医の川崎富作さん(2020年死去)が1967年に初めて報告した原因不明の病気で、4歳以下では400人に1人が発症し、全身の血管に炎症が起きることで発熱、目の充血、舌の赤いぶつぶつといった症状が出る。治療法が進歩した現在でも発症者の約2・5%で心臓の血管にこぶ(冠動脈 瘤りゅう )ができる後遺症が残り、狭心症や心筋 梗塞こうそく につながらないよう長期間の服薬が必要になることもある。
腸内の細菌群は「腸内細菌 叢そう 」と呼ばれ、一人一人異なる。胎児の頃から2、3歳までに形成され、それ以降は細菌の構成バランスはあまり変わらない。金子一成教授と寺本芳樹助教らの研究チームは、川崎病を発症する前の細菌叢の状態を推定するため、川崎病にかかった後に回復し、発症から約1年経過して薬の影響がなくなった26人と、比較のため発症していない57人の子どもの便を調べた。
その結果、発症した子どもの細菌叢は炎症を起こす菌の割合が高く、炎症を抑える 酪酸らくさん 菌の仲間の割合が低い特徴があった。チームは「子どもに酪酸菌のえさになる食物繊維を与えるなどすることで、川崎病の予防ができるようになる可能性もある」としている。
川崎病に詳しい和歌山つくし医療・福祉センターの鈴木啓之院長の話「発症前の腸内細菌叢を調べるのは難しいが、今回の研究は、どういった働きの菌が治療や予防で重要になり得るかを新たに示した。地域差などがないかについても検討することが今後の課題だ」
引用元:
「川崎病」腸内細菌の乱れ?子どもに多い原因不明の血管炎…「食物繊維で予防可能性」関西医科大(読売新聞オンライン)