2022年の出生率が統計開始以来最低の0.78となり、日本を上回る急速なペースで少子高齢化が進む韓国。その対策の一環として、地方自治体が大規模な合コンを開催し、キューピッド役を買って出た。ロイター通信が伝えた。
クリスマスソングが流れる中、ソウル近郊京畿道城南(ソンナム)市のホテルに若い男女計100人がパートナーを求め、おしゃれ着に名札を下げて集まった。大規模な合コンを主催した城南(ソンナム)市は、このイベントがきっかけになり、近い将来、彼らが結婚し、子供を産むことを期待している。
これは結婚願望や子育てへの熱意が低下しているとされる、この国の少子化問題を解決するための地方自治体の試みだ。
静かに隣同士で座っていた20代〜30代の参加者たちは、恋愛コーチの合図でジャンケンゲームが始まると、会場はすぐに会話と笑い声であふれた。市側は、赤ワインやチョコレート、ゲーム、無料メイクサービスに加え、参加者の身元調査情報まで用意した。
市役所に勤めるイ・ユミさん(36)はロイター通信に、最終的にイベントへの参加枠を得るまでに3回応募したと明かし、「こんなに競争が激しいとは思わなかった」と驚いていた。
今年はこれまで5回の合コンイベントが開かれ、460人中198人がカップルとして成立し、互いの連絡先を交換することになったという。
首都ソウル市も同様のイベントを検討していたが、住宅費や教育費の急激な高騰により、結婚や出産をあきらめる人が多いことへの対処をせず、ただそのようなイベントを開くことは「税金の無駄遣い」だという批判が出たため断念した。
9月のイベントに参加したファン・ダビンさんは、ほかの社交イベントに参加したり、プロの結婚相談所に登録したりする費用が節約できたと歓迎。「この国は深刻な人口減少の問題に直面している。行政はできる限りのことをする必要がある。それに文句を言うのは理解できない」と指摘した。
韓国の出生率は2022年、過去最低の0.78に低下。1人の女性が一生の間に産む子供の数が世界で最も少ない国になっている。この数字は少子高齢化が社会問題化している日本の1.3や、米国の1.66を大きく下回った。ちなみに、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均は1.58で、1を割り込んでいる唯一の国となっている。
聯合ニュースによると、韓国では1970年に100万人を超えていた年間出生数が、2002年には40万人台と半数以下となり、2020年に入ってからは30万人を割り込み、22年には24万9000人にまで落ち込んだ。
ソウル女子大社会福祉学科のチョン・ジェフン教授は、城南市が開催する大規模合コンのようなイベントが出生率の上昇につながると期待するのは「ナンセンス」と一蹴。「出生率を高める政策と称するためには、妊娠、出産、子育ての支援に対し、直接的にもっと資金を投じる必要がある」と主張した。
そんな批判にもかかわらず、城南市が企画した今年の合コンイベントには数千人が参加登録した。城南市のシン・サンジン市長は、「結婚への肯定的な見方を広めることが最終的には出生率の上昇につながる」とし、合コンイベントは市が急落した出生率を逆転させるために展開した多くの政策の一つに過ぎないと強調した。
同市長は、「少子化は一つの政策で解決できるものではない」とした上で、「結婚したい人が相手を見つけられる環境を整えるのも市の仕事」だと述べた。
引用元:
韓国自治体、少子化対策に合コン大作戦 専門家「妊娠、出産、子育て支援が必要」(Yahoo!ニュース)