産婦人科医が不足している能登や南加賀の周産期医療について、石川県が、医師が遠くにいても、妊婦や胎児の状況を見ることができる「遠隔分娩(ぶんべん)監視システム」を導入している。

 対象は、市立輪島病院や小松市の民間のクリニックなど7施設で、10月20日から運用が始まった。高松市のメーカーが開発し、岩手県などで使われているシステム(1基約125万円)を導入。母親のおなかに、子宮の収縮回数や胎児の心拍数を計測するモバイル端末を取り付ける。端末はネットとつながり、集めたデータが搬送先の病院や県立中央病院(金沢市)へほぼ時差なく共有される。

 これまでは計測に固定の機器を使い、現場にいなければデータを見られなかった。新システムは搬送する車内でも使え、医師はスマホでデータを閲覧できる。

 県立中央病院では、7施設のデータを集中監視する体制をとるとしている。

 輪島病院では2021年6月、新生児の死亡事故が発生。検証で産科医不足の地域の医療体制強化が指摘され、「産科医がいつでも他院の医師に相談できる体制整備」が掲げられた。

 県は10月中旬に市立輪島病院でシステムを公開。実際に装着した妊娠36週目の30代女性は「コードレスの装置なので装着の負担感は少ない。安心感につながる」と話した。

 輪島病院の桑原陽祐医師は「母体の状況は搬送され、検査して初めてわかる状況だったが、リアルタイムで容体がわかるのは、受け入れ態勢が整えられるなど、メリットが大きい」と話した。(土井良典)

引用元:
産科医不足で遠隔分娩監視 輪島、南加賀で県がシステム導入(朝日新聞DIGITAL)