体外受精や顕微授精などの高度な不妊治療を受ける女性のストレス要因で最も多いのが「終わりの見えない治療」だとする調査結果を、国立成育医療研究センター(東京都)の研究グループがまとめた。このうち7割が抑うつ状態にあると判定され、研究グループは不妊治療を受ける女性に対する心理的なサポートや、意思決定支援を充実させる必要があると指摘している。
【図解】凍結卵子を使った妊娠までの流れ
不妊治療中のストレスとメンタルヘルスの関連性を調べるため、不妊治療の保険適用が始まった2022年4月前に治療を受け始めた女性344人を対象に19〜21年に調査を実施。研究グループが自由記載欄のコメントを分析した結果、ネガティブなストレス要因は「終わりの見えない治療」(28%)▽「一人で抱え込む苦しみ」(25%)▽「アイデンティティーの揺らぎ」(15%)▽「高額な治療費」(17%)の4項目に分類された。
「終わりの見えない治療」については、「喪失体験を繰り返す終わりのないつらさ」や「仕事と治療が両立できない葛藤」などが書き込まれていた。回答者の睡眠や食欲などについても質問した結果、このケースでは70%が抑うつ症状にあることが分かった。
2番目に多かった「一人で抱え込む苦しみ」では、「女性にばかり負担が大きいことへの不満」や「自分で決断することが多く負担」であることが挙げられ、治療を続ける上での意思決定支援などが必要だとみられた。
「アイデンティティーの揺らぎ」では「自然に妊娠できず女性としてのアイデンティティーが傷つく」との思いが目立った。また、
他のストレス要因を抱えている人と比べて、不安が最も高かった。
調査にあたった同センター研究所社会医学研究部の加藤承彦室長は「高度不妊治療中のストレス要因は複合的だが、個人が最も強くストレスに感じている要因とメンタルヘルスの状況が関連している可能性が示唆される」と指摘。高畑香織共同研究員は「納得のいく治療を実現するためにも、仕事との両立や治療方針をともに考える支援が一層必要となる」と話す。【田中韻】
引用元:
高度不妊治療中の女性のストレス 最多は「終わり見えない治療」(Yahoo!ニュース)