横浜市が市内の病院などで出産にかかる費用を調べたところ、最低限必要になる費用だけでも平均約55万円に達し、少なくとも8割強の出産で国の出産育児一時金の50万円を超えていることがわかった。山中竹春市長は市長選の公約に「出産費用ゼロ」を掲げて当選しており、市は近く調査結果を発表するとともに今後、支援のあり方を検討するという。
関係者によると、調査は今年6〜10月に出産を取り扱っている病院や診療所、助産所計53施設を対象に実施し、詳細な費用の回答があった51施設の結果を集計した。
調査では、初産の正常分娩(ぶんべん)で標準的な入院日数を想定し、入院料や食事料、平日日中の分娩料、母体管理料、新生児管理保育料、乳房ケア費用など11項目を共通して必要な「基礎的費用」とし、施設ごとの総額を算出した。
基礎的費用の平均は約55万円、最大は…
それによると、基礎的費用の平均値は54万8224円(公的病院は53万5796円)、中央値は55万5千円(同54万7290円)。最小は42万1千円(同46万440円)、最大は70万9千円(同57万6110円)だった。
これに施設ごとの出産件数を加味して分析すると、全体の8割強の出産で50万円を超えていた。
ただ、基礎的費用には無痛・和痛分娩料や個室料、陣痛から産後に体力が回復するまで滞在できるLDR室利用料、パジャマ・タオルなどの入院セット、お祝い膳、マッサージ・エステなどの費用は含まれておらず、実際の負担額はさらに大きいとみられる。
横浜市では公費負担となる新生児スクリーニング検査料や聴覚検査料、出産育児一時金に含まれる産科医療補償制度の掛け金も除外したという。
出産した8割強が「経済的負担感じた」
また、昨年出産した市内在住の5千人を対象にウェブでアンケートを実施し、2837人(57%)から回答を得た。
アンケートで出産から3カ月後までにかかる費用の経済的な負担感を尋ねたところ、84・5%が「負担を感じた」と答えた。項目別では、「入院・分娩費」や「おむつやミルク、衣類などの消耗する育児用品費」に特に経済的負担を感じる人が多かった。
出産にかかる費用は年々上昇傾向にあり、今年4月からは出産育児一時金が42万円から50万円に大幅に引き上げられた。一方、厚生労働省が公表した都道府県別の公的病院の平均出産費用では、東京や神奈川などの都市部でより高額な費用がかかる傾向にあり、地域差が課題となっている。(堅島敢太郎)
引用元:
出産一時金50万円を8割が超過 横浜市調査、「費用ゼロ」は可能か(朝日新聞)