不妊治療に携わる「胚(はい)培養士」を養成する教育課程が、今秋から岐阜医療科学大学(岐阜県関市)で始まった。「1期生」として、臨床検査学科の2年生78人が学んでいる。同大によると、東海地方の医療系大学のなかで、学部の段階から胚培養士の教育課程を設けるのは初めてだという。
胚培養士は胚(受精卵)を育てる専門職で、卵子や精子の状態の確認、保管などにも携わる。
東海地方には、体外受精などの治療ができる生殖補助医療施設が82施設あり、胚培養士は122人いる(2015年時点)。同大の永井慎・准教授(生殖補助医療学)によると、治療にあたって卵子や精子、胚は取り違えがあってはならず、温度管理なども含めて厳密な取り扱いが求められる。昨年4月から体外受精などの不妊治療が公的医療保険の対象になり、ニーズが高まっているのに対して、胚培養士の養成が追いついていないという。
養成に向けて、同大では10月から「生殖補助医療学」を開講した。卵子の細胞質に直接精子を注入する「顕微授精」など高度な技術や、がん患者らが卵子や精子、卵巣組織を凍結保存する方法も学ぶ予定だ。
校内の実習施設には今月7日、顕微授精に用いる顕微鏡1台が導入された。実習でマウスなどの卵子を使い、手元の作業内容を室内の大型スクリーンに映して学生に説明できるという。
永井准教授は「不妊治療には子どもを切実に望むカップルが訪れる。倫理観ときちんとした技術を持った人材を育てたい」と話す。(高木文子)
引用元:
不妊治療に携わる「胚培養士」の教育課程 岐阜医療科学大が開始(朝日新聞デジタル)