第三者から提供された精子や卵子を使う不妊治療を巡り、ルール作りを進めている超党派の議員連盟(会長=野田聖子・元総務相)は、生まれた子どもが18歳以上になった段階で、提供者の身長・血液型・年齢の3項目を開示できるようにする方向で調整に入った。
提供者個人を特定しない情報について、提供者の同意がなくても子どもが知ることのできる仕組みを整え、「出自を知る権利」に配慮する狙いがある。
議連はこれらを盛り込んだ「特定生殖補助医療法案(仮称)」の骨子案を7日午後の総会で提示する。各党から了承を得て、来年の通常国会での法案成立を目指す考えだ。
骨子案によると、3項目以外の氏名や住所などの情報を得るには、提供者の同意が必要となる。提供者が死亡しているケースでは、提供者の同意を得ていた場合に限り、提供者の氏名を開示する。情報開示の請求先は内閣総理大臣とする。
議連が2022年3月にまとめた骨子案でも、子どもが18歳になれば、提供者の情報を求められるとしていたが、提供者の同意がなければ、開示されない仕組みになっていた。
夫婦や生まれた子、提供者それぞれの氏名や生年月日などの情報は、独立行政法人が100年間保存する。夫婦に対しては、子どもの出自を知る権利を守るため、「年齢や発達の程度に応じた適切な配慮」に努めるよう求めた。
また、骨子案は、第三者の精子や卵子を使った治療は国の監督の下で認め、法律上の夫婦に限ることや、第三者に出産リスクを負わせる代理出産は医学的、倫理的な課題を考慮して認めない考えも示した。同じ人からの精子や卵子の提供は、夫婦10組を上限とする。
不妊治療のルールづくりを巡っては、21年3月に施行された親子関係を明確にする民法特例法の付則で「2年をメドに検討し、法制上の措置をとる」ことが明記された。
議連では、出自を知る権利をどこまで保障するかや、代理出産の是非などについて意見集約が難航していた。今回の骨子案も合意の調整に手間取る可能性がある。
「出自知る権利」を重視
超党派議連がまとめた新たな骨子案は、夫婦以外の精子や卵子を使った不妊治療で生まれた子どもの「出自を知る権利」をより重視したものだ。
昨年3月の骨子案では、独立行政法人が提供者らの氏名や生年月日などの情報を100年間保存するとしたが、子どもに情報が開示されるかどうかやその範囲は提供者の意向次第だった。そのため、関係者から「権利の保障になっていない」との指摘があがっていた。
新たな骨子案は指摘を踏まえて一歩前進したが、得られる情報が十分なのかは、当事者や専門家を交えた議論が必要だ。
子どもの出自を知る権利を重視する英国では、提供者が匿名だった場合でも、提供理由や職業、特技など、匿名性を保てる範囲内で人となりを知ることができる情報も開示される場合がある。子どもを第一に考えた議論が求められる。
引用元:
精子・卵子の提供者情報を子に開示、超党派議連が法制化へ…同意不要で身長・血液型・年齢の3項目(讀賣新聞)