米国Columbia大学Irving Medical CenterのClaudia Lugo-Candelas氏らは、米国の母子を対象として、妊娠中の母親の睡眠状態と約4歳時点の子どもの注意欠如・多動症(ADHD)症状および睡眠障害の関係を検討するコホート研究を行い、妊娠第2期の睡眠の質や時間が不良だと、生まれた児の神経発達や睡眠障害のリスク増加に関連が見られたと報告した。結果は2023年10月9日のLancet Regional Health America誌電子版に掲載された。

 妊婦にはしばしば睡眠障害が認められるが、睡眠障害は妊婦の健康と妊娠の転帰に悪影響を及ぼすだけでなく、子の長期的な転帰、例えば神経発達などに影響を与える可能性がある。齧歯類モデルによる基礎研究では、妊娠期間中の睡眠障害が炎症反応と下垂体-副腎皮質系の活性化を誘発することが示されていた。

 ヒトを対象として、妊婦の睡眠状態と子どものアウトカムについて検討した5件の研究では、妊婦の睡眠時間が短いことが子の神経発達症リスク、特にADHDと関連する表現型のリスク増加に関連することを示唆していた。また、乳児を対象とする前向き研究で、睡眠の質が低い乳児はADHDリスクが高いことが知られている。

 しかし、妊娠中の睡眠障害の発生時期と子どものアウトカムや、子どもの性別によって妊婦の睡眠障害の影響が異なるかどうかは検討されていなかった。そこで著者らは、妊娠中に睡眠の質が低いことが、4歳時点の子のADHD症状および睡眠障害のリスク増加に関連する、という仮説について検討することにした。

引用元:
妊娠中の睡眠不良は子のADHDや睡眠障害に関連(日経メディカル)